2019 Fiscal Year Annual Research Report
極限補償光学のための高空間・時間分解能を持つ点回折干渉型波面センサの開発
Project/Area Number |
16H03957
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
木野 勝 京都大学, 理学研究科, 助教 (40377932)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 補償光学 / 波面センサ / 光干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで試作と性能評価を進めてきたワイヤグリッド型のピンホール付き偏光ビームスプリッタでは、十分な測定精度が達成できる入射波面の位相分布に制限がある、補償光学への適用時に問題となることがわかった。ワイヤグリッドの偏光分離度を更に高める必要があるが、現状でも微細加工の限界に近いため実現は困難と考え、研究期間の後半ではあるが代替案に方針を変更した。新しく採用した方式では偏光の分離に複屈折結晶を用いる。複屈折結晶として酸化チタンの表面に直径24μm、深さ1μmの穴をあけ、内部を複屈折性を持たない物質(今回は酸化バナジウム)で充填したものである。透過光については複屈折結晶の屈折率差により2種の干渉縞を同時に得られる。また表面での反射光から位相差0の干渉縞を得れれるので、計3位相を同時に測定する位相シフト干渉計となる。この方式はワイヤグリッドで問題となった<1μmの微細加工を回避でき、かつこれまでに構築した周辺光学系・評価用光学系の大部分はそのまま流用できる。 数値シミュレーションの結果、5等級程度の参照星に対して全幅1波長の測定レンジ全域で要求仕様であるrms 60 nmの測定精度が達成できることが確認できた。位相接続処理を行えば更に測定レンジを増やすことも可能であり、これは他の位相測定型波面センサやワイヤグリッド方式で測定レンジに制限が付いた場合には無い利点である。得られたこれらの知見・設備を活用し、本研究期間の終了後も開発を継続していく。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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