2018 Fiscal Year Annual Research Report
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16H03959
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
和田 桂一 鹿児島大学, 理工学域理学系, 教授 (30261358)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 理論シミュレーション / 輻射輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
クェーサー等の活動的銀河中心核(AGN)の内部構造やその進化過程はいまだに謎である。 これまで成果を挙げてきた多次元輻射磁気流体計算と多次元放射輸送計算を元にした理論と、X線、光赤 外、電波のこれまでにない高精度な多波長観測を組み合わせ、AGNの真の構造、巨大ブラックホール進化の謎に迫るのが目標である。本年度は(1) トーラス領域の輻射流体計算結果から、3次元non-LTE輝線輻射輸送計算}を行い、分子・原子輝線強度(CO, HCN, OH, CI など)を計算し、ALMA Cycle-4&5で採択された観測データと比較するほか、Cycle-6に観測提案を行い、プロポーザルが採択された(PI: Izumi)。 (2) 本研究費で雇用するポスドク研究員が中心となり、トーラス領域の磁気流体シミュレーションをCANS+を用いて行い、磁気 流体不安定性についての成果をKudo, Wada(2018)として国際研究会で発表した。現在、本論文としてまとめている。 (3)銀河スケールからのガス供給とSMBHへの降着率の関係を明らかにするため、SPHベースのASURAコード(斎藤貴之)を用いて 、minor merger processの計算を行った。 (4) トーラス領域の輻射流体計算結果からCLOUDYを用いた多次元電離ガス計算を行い、狭輝線領域が再現されるか調べ、Wada et al. 2018として出版した。 (5) ドイツマックスプランク研究所に滞在し、共同研究者のM. Schartmann博士らと、銀河中心領域のスターバーストについて の理論計算の研究打ち合わせを行った。 (6) 準解析的銀河・AGN 進化モデルへの物理モデルの組み込みについて、 SWANS/SNAWS チーム と共同研究をおこなった。 (7) 日本天文学会秋季年会(姫路市)等で研究発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
主要な著者としての査読論文として3本の成果があった他、国際研究会でも招待講演等を行い、ALMA観測提案にも複数参加している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、これまでの研究成果の総まとめを行う他、引き続き基盤Aの申請に向けて今後の研究課題の整理も行う。また、国内外での研究発表も積極的に行う。
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