2016 Fiscal Year Annual Research Report
原始星円盤における化学的多様性の全貌解明と円盤形成過程の探求
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16H03964
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
坂井 南美 国立研究開発法人理化学研究所, 坂井星・惑星形成研究室, 主任研究員 (70533553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 智 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (80182624)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電波天文学 / 星間化学 / 原始星 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初28年度に予定アルマ望遠鏡の観測データ解析の開始が、アルマ望遠鏡側の事情で観測が遅れ、その結果データ配信も遅れていた。しかし、その後、想定通りデータが29年度の夏ごろに配信された。これをうけて、膨大なALMAデータの解析を開始した。一次解析においては、データの較正が重要となるが、通常の較正作業(参照天体を用いた強度・位相較正)に加え、観測ターゲット天体自身を参照天体とした較正(自己較正)も行い、すべての受け取ったデータの一次解析を終了することができた。 これをもって、データの解釈へと研究を進めることが可能となった。その結果、想定外に大変興味深い原始星を見出した。原始星NGC1333IRAS4Cにおいて初めて双極分子流を発見し、また、その駆動メカニズムとしてmagnetro-centrifugal windが妥当であることを明らかにした。この解析においては、CCH分子やCS分子などを用いることができたたのが大きなアドヴァンテージであった。これまではCO分子やその同位体種など、存在量が圧倒的に多い分子でこのようなガスの運動の研究が行われてきたが、高感度なALMA望遠鏡により、より存在量が少ないが化学的特徴を色濃く示す分子種においてもそのような研究が可能となったことを明瞭に示す結果といえる。当初の目的である原始星円盤における化学的多様性の全貌については、全天体での化学組成を調べる解析が現在進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画変更の想定どおり、9割のALMA望遠鏡データを平成29年9月までに受け取った。このデータを保存するために大容量ストレージを購入し、データ解析を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
受け取ったALMA望遠鏡の観測データの一次解析を完成させるとともに、解析の結果得られた想定以上の進展(原始星NGC1333IRAS4Cにおける双極分子流の発見とその駆動メカニズム)について論文を急ぎとりまとめる。また、当初の目的である原始星円盤における化学的多様性の全貌を明らかにすべく、解析可能な全天体について統計的に研究を進め、とりまとめる。
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Research Products
(11 results)