2016 Fiscal Year Annual Research Report
World's best sensitivities of new physics searches with Electroweak Penguin B decays and development of light-weight and fast-readout pixel detector
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16H03968
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 明正 東北大学, 理学研究科, 助教 (40452833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 康夫 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90167990)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 素粒子実験 / B中間子電弱ペンギン崩壊 / ピクセル検出器 / SOI / 崩壊点検出器 / B中間子輻射ペンギン崩壊 / レプトンフレーバーユニバーサリティー / CP非保存 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は2つあり、一つは世界で最も多いデータ量(積分ルミノシティー)を誇るBelle実験とそのアップグレードBelle II 実験において、B中間子電弱ペンギン崩壊を用いて世界最高精度の新物理探索を行うこと、もう一つはB中間子電弱ペンギン崩壊の測定精度を向上させる高速軽量ピクセル検出器を開発することである。 物理解析においては、予定通りb→sll過程の一つであるB→K*l+l-における角分布のレプトンユニバーサリティーの破れの論文を出版した。この測定は世界で初めての測定であり、誤差は大きいながらLHCbでのレプトンユニバーサリティーの破れと一致する結果であることから、世界的に注目される結果であった。また当初の予定には入っていなかったが輻射崩壊B→φγの探索の論文も出版することが出来た。さらにb→sγ過程におけるCP対称性の破れとアイソスピン対称性の破れの解析を始めた。Belle II 実験での解析の準備も進めており、Ks 再構成ツールの開発を行い、B→Kπγのモンテカルロシミュレーションを始めた。 半導体検出器開発においてはゲインの低いPIXOR2に対策を施したPIXOR3の性能評価を行ったが、読み出し用のボードのノイズが大きく決定的な評価をするには不十分であった。しかしながらゲインは思っていたほど高くは無いとの予想が得られた。また放射線耐性は加速器実験において非常に重要であるため、新たに開発したDouble SOI構造での放射線耐性試験を行った。その結果SOI検出器が100kGyの照射線量を受けても動作することが確認された。この結果は Belle II 実験で十分な放射線耐性をSOI検出器は持つという非常に重要な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
物理解析においては当初予定していた以上の進展があり、世界的に重要な結果が得られたことから「当初の計画以上に進展している」と言って良い。しかし半導体検出器の開発において当初予想していなかった問題から進展が「やや遅れている」。以上を総合的に考えると(2)おおむね順調に進んでいると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
物理解析においては予定より進展したことから、現在の推進耐性でも予定以上の結果が出ると思われる。 半導体検出器の開発においてはPIXOR3でもゲインが低いと予想された。しかし確定的な事実では無いためさらなる追求が必要である。ノイズを低減し、テストパルスや量子ビームによるビームテストなどを利用し、多角的に問題を追及する。またそれとは別に電荷収集の方法を追求し、デバイスレベルで高いS/Nを得られるような構造を研究する。
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Research Products
(8 results)