2017 Fiscal Year Annual Research Report
ねじれ型重力波望遠鏡の高感度化と低周波数重力波探査
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16H03972
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安東 正樹 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (90313197)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 重力波 / ねじれ振り子 / 能動防振 / 低温 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度から2018年度にかけて、高感度な低温ねじれ振り子の実現に向けて、以下の4つの点で大きな進展があった。(1) 冷却装置の試験動作および、ねじれ振り子の低温下での動作。冷却装置の試験動作を行い、30日以内に4K程度まで到達する、という当初の設計を実現する結果を得た。そのうえで、約8K程度の低温下でねじれ振り子を動作させ、その変動を測定することに成功した。(2) 能動防振装置の性能向上。能動防振装置のアクチュエータをレンジの広いものに交換するとともに、支持フレームに起因する共振の影響を抑えることで性能させ、1Hz付近で1/100より良い防振性を実現した。これは国内外の先行研究と比較しても最高レベルの性能と言える。また、角度変動からのカップリング雑音を低減するための、新型の傾斜計の開発も進めた。(3)新型角度センサの開発。光共振器を組み合わせた構成による高感度角度センサを考案し、その原理実証実験を進めた。結果として、想定通り、角度変動に対する感度が向上していることを確認した。(4)ファイバQ値の測定。ねじれ振り子を懸架するためのワイヤには、低機械損失(高いQ値)が求められる一方、ねじれ変動に対する測定例は多くはない。そこでサファイヤなど、低温下で高いQ値が期待される素材のワイヤを入手し、そのQ値測定を系統的に進めた。結果として、常温下でサファイヤファイバを用いてねじれ変動を計測した例としては、われわれが確認した限り世界最高のQ値を実現した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
冷却ねじれ振り子の実現については、非常に挑戦的な計画にも関わらず、順調に計画が進行している。加えて、能動防振やワイヤQ値の測定においては世界最高レベルの成果を挙げている。さらに、当初の計画には含まれていなかった新しい方式の角度センサを考案し、その原理実証も進めた。これらのことから、当初の計画以上の進展があったと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
2019年度には、能動防振装置を低温ねじれ振り子装置に組み込み、全体として動作させることが大きな目標となる。その上で、低温下で低雑音でのねじれ変動計測の実現を目指す。
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Research Products
(10 results)