2018 Fiscal Year Annual Research Report
Hybrid one-atomic-layer physics on semiconductor surfaces without space inversion symmetry
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16H03998
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
枡富 龍一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (00397027)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 低次元超伝導 / ラッシュバ効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は層に依存するラッシュバスピン軌道相互作用をもつ単原子層超伝導体の多層系(ハイブリッド系)に出現する新奇な超伝導状態の実現し、その発現機構を電気抵抗測定により解明することを目的とした。LO状態(一般的にはFFLO状態)は、強磁場下において有限の重心運動量をもつクーパー対の形成に起因して秩序変数の振幅が実空間で変調する超伝導状態である。この様な超伝導状態は一部の重い電子系超伝導体や有機超伝導体において実現していると考えられている。しかしながら、秩序変数の位相の変調により特徴づけられるヘリカル状態(FF状態とも称されている)の存在を示唆する実験的な証拠は未だに報告されていない。本研究では層に依存した強いラッシュバスピン軌道相互作用をもつ多重単原子層膜において、複素ストライプ相からヘリカル相へのクロスオーバーを示唆する上部臨界磁場の異常を観測した。ヘリカル相は秩序変数の位相の変調により特徴づけられるのに対して、複素ストライプ相は秩序変数の振幅と位相の両方の変調により特徴づけられる超伝導状態である。さらに、観測された臨界磁場の温度依存性はBogoliubov-de Gennes方程式を用いた数値的解析により良く再現されることがわかった。これら研究成果はヘリカル相および複素ストライプ相の存在を示す初めての実験的証拠を提示するだけに留まらず、空間反転対称性の破れにより引き起こされる非従来型超伝導を研究する新たな舞台を提供する。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)