2018 Fiscal Year Annual Research Report
Sub-picosecond control of polarized domain in organic ferroelectrics using second harmonic microscope
Project/Area Number |
16H04000
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
沖本 洋一 東京工業大学, 理学院, 准教授 (50356705)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 強誘電体 / 非線形光学 / 光誘起相転移 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、プロトン移動型有機強誘電体の持つ強誘電特性を光で高速制御することを目的とする。最終年度では、ジメチルビピリジン(dmbp)および2,3-ジピリジルピラジン(dppz)分子をプロトンアクセプター、クロラニル酸(H2ca)分子をプロトンドナーとする二種の強誘電共結晶(H66dmbp-HcaおよびHdppz-Hca)に対し、フェムト秒レーザ光励起後の電子状態変化を時間分解分光測定から調べた。 1.H66dmbp-Hca結晶に対し、波長530nmのフェムト秒パルスを用いてクロラニル酸の分子内励起を誘起し、これにより生じる第二次高調波発生(SHG)強度変化をマッピング観測した。その結果、単結晶試料表面にも関わらず光照射後にSHG強度が増大する領域と減少する領域が存在することがわかった。更に、このSHG強度が増大する領域に約1kV/cmの電界を印加した後に、時間分解SHG分光を行ったところ、最初10%増加していたSHG変化は、電界印加によって逆に10%の減少に転じることがわかった。これらのSHG強度変化の空間依存性及び電圧印加測定の結果から、光励起で見られたSHG強度の増減は試料の分極ドメイン壁の運動によって生じることが示唆された。 2.Hdppz-Hca結晶に対し約40 THzにピークを持つ中赤外パルスを照射し、それに伴うSHG強度変化を観測した。このパルスは、クロラニル酸分子のC-O-伸縮振動モードを直接励起する。その結果、SHG強度は最大で18%程度増強されることがわかった。このSHG変化について非調和性を考慮したC-O-モードの運動方程式を立て解析したところ、中赤外パルスによりC-O-モードが共鳴励起され、強誘電性の起源であるプロトンの平衡点がシフトした結果SHG強度が増大する新しい非平衡状態が観測されたことがわかった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Ultrafast Control of Ferroelectricity with Dynamical Repositioning of Protons in a Supramolecular Cocrystal Studied by Femtosecond Nonlinear Spectroscopy2019
Author(s)
Tsugumi Umanodan, Keisuke Kaneshima, Kengo Takeuchi, Nobuhisa Ishii, Jiro Itatani, Hideki Hirori, Yasuyuki Sanari, Koichiro Tanaka, Yoshihiko Kanemitsu, Tadahiko Ishikawa, Shin-ya Koshihara, Sachio Horiuchi, and Yoichi Okimoto
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Journal Title
Journal of the Physical Society of Japan
Volume: 88
Pages: 13705-13711
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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