2019 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamical charge correlation of strongly correlated electrons studied by resonant inelastic scattering of synchrotron x-rays
Project/Area Number |
16H04004
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
石井 賢司 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, 上席研究員(定常) (40343933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤田 全基 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20303894)
筒井 健二 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 放射光科学研究センター, 上席研究員(定常) (80291011)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 物性実験 / 量子ビーム / 強相関電子系 / 光物性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題は、技術発展が著しい放射光X線共鳴非弾性散乱法(RIXS)を用い、銅酸化物を対象として、動的電荷相関の観測から、強相関電子の運動状態を支配する電子間クーロン相互作用の効果、さらに、より低エネルギーに現れるスピン揺らぎ・格子振動と結合した電荷ダイナミクスを明らかにすることが目的である。本年度は以下の成果を得た。 1. 電子ドープ系銅酸化物Nd2-xCexCuO4を高エネルギー分解能化した銅K吸収端のRIXSで測定し、これまで以上に低エネルギーまで電荷励起を観測することで、銅L3吸収端で観測された電荷励起と詳細な比較が可能となった。その結果、両吸収端の間で電荷励起のピーク位置、ピーク幅が良い一致を示し、同一の励起が観測していることを明らかにすることができた。 2. 昨年度測定を行ったニッケル酸化物の電荷励起についての検討を進めた。銅酸化物とは対照的に運動量依存性がほとんどみられない理由として、電子格子相互作用によって形成されるポーラロンの効果、スピンの大きさの違いによる量子揺らぎの効果を考察した。 3. 本研究課題の前半でその有効性が明らかにできた酸素K吸収端のRIXSを用い、ホールドープ系銅酸化物La2-xSrxCuO4における電荷励起の温度依存性を幅広いホール濃度に対して系統的に測定した。その結果、高ホール濃度、低波数において顕著な温度依存性が観測されることが明らかとなった。その温度依存性は、電子間クーロン相互作用の強い系でしばしば現れる異常金属状態から通常の金属におけるフェルミ液体へのクロスオーバーと関係している可能性を検討した。 4. 銅K吸収端のRIXSを利用して、最近の理論研究で予想されている電子ドープ系銅酸化物Nd2-xCexCuO4の波数(pi,pi)近傍での電荷秩序を調べた。準弾性散乱として現れる電荷相関の増大を探索したが、期待された電荷秩序は観測されなかった。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)
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[Presentation] Cu K端XANESとEXAFSの相補利用によるノンドープ銅酸化物超伝導体La1.8Eu0.2CuO4の電子状態に対するアニール効果の研究2019
Author(s)
浅野駿, 石井賢司, 松村大樹, 辻卓也, 伊奈稔哲, 齋藤真, 春原稔樹, 川股隆行, 小池洋二, 工藤康太, 藤田全基
Organizer
第22回XAFS討論会
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