Outline of Annual Research Achievements |
このような超高圧下におかれた超微小空間の試料に対して核磁気共鳴(NMR)測定は前例が無いため、過去にいくつか行われた例を参考にしながらプローブ、セル、コイルを含む、タンク回路などの設計、作製から始めた。最も強いNMR信号強度が期待される水素1H (プロトン)の低圧域でのNMR実験で、微弱な複数本の水素1Hの共鳴信号が観測された。プロトンを含まない素材でプローブおよび試料室周りを構成しているが、極端に小さい試料室のため、試料室外の構成素材に混在すると思われる不純物水素からの非本質的な信号が含まれていることがわかった。プロトンを含む素材を排除や配置の変更を行う作業を繰り返して、不純物としてプロトンを含むものを洗い出し、いくつかの素材でプロトンの信号の由来を特定した。今年度の研究活動を以下に示す。 (1) 国際会議発表6件 (招待講演3件, ポスター講演3件) (2) 国内会議発表8件 (招待講演1件, 一般口頭講演6件, ポスター講演1件) (3) 受賞 1件 JPSJ注目論文賞 (社)日本物理学会 (4) 学術論文(査読有り) 4件 (原著論文2件、査読付きproceedings 2件) (a) H, Mukuda, N. Shiki, N. Kimoto, M. Yashima, Y. Kitaoka, K. Tokiwa, and A. Iyo, J. Phys. Soc. Jpn. 85, 083701 (2016) (b) T. Shiota, H. Mukuda, M. Uekubo, F. Engetsu, M. Yashima, Y. Kitaoka, K. T. Lai, H. Usui, K. Kuroki, S. Miyasaka, and S. Tajima, J. Phys. Soc. Jpn.85, 053706 (2016) (5) 解説記事 1件 固体物理 (2017年1月号, Vol.52) / アグネ出版 p23-p30 トピックス執筆
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