Outline of Annual Research Achievements |
水素よりも信号強度は劣るものの、重水素(2D)のNMRでは様々な素材に含まれていると思われる不純物プロトンからの信号との区別ことが問題とならないため、硫化重水素(D2S)の超高圧下2D-NMR実験も並行してスタートさせた。液体の試料の類似物質である重水(D2O)の2D-NMR実験を行ったところ、一晩かけて積算するとようやく見えてくるくらいであるが、微弱であるがきれいなNMR信号を検出することができた。しかし硫化重水素(D2S)は少しの圧力で固体の絶縁体になるため、低温、強磁場の極限の実験条件にしても、信号検出が困難であることがわかった。ダイヤ間に試料封入させるための金属板(ガスケット)の素材やNMRコイルの配置などをいろいろ変えながら測定し、試行錯誤しながら最適化の方法を検討した。今年度の研究活動を以下に示す。 (1) 国際会議発表3件 (招待講演1件, ポスター講演2件) (2) 国内会議発表8件 (招待講演1件, 一般口頭講演7件, ポスター講演1件) (3) 学術論文(査読有り) 4件 (原著論文2件、査読付きproceedings 2件) (a) Anomalous 125Te Nuclear Spin Relaxation coincident with Charge Kondo Behavior in Superconducting Pb1-xTlxTe, H. Mukuda, T. Matsumura, S. Maki, M. Yashima, Y. Kitaoka, K. Miyake, H. Murakami, P. Giraldo-Gallo, T. H. Geballe, and I. R. Fishe, J. Phys. Soc. Jpn. 87, (2018) 023706/1-4. (b) Three superconducting phases with different categories of pairing in hole- and electron-doped LaFeP1-xAsxO, S. Miyasaka, M. Uekubo, H. Tsuji, M. Nakajima, and S. Tajima, T. Shiota, H. Mukuda, H. Sagayama, H. Nakao, R. Kumai, and Y. Murakami, Phys. Rev. B 95, 214515 (2017).
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