2018 Fiscal Year Annual Research Report
Spin transfer from atomic vapor to condensed materials: development of hyperpolarized separator
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16H04030
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
石川 潔 兵庫県立大学, 物質理学研究科, 准教授 (00212837)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 核スピン偏極 / 光ポンピング / アルカリ金属原子 / 超微細分裂 / 量子干渉 |
Outline of Annual Research Achievements |
リチウム(Li)金属と銀(Ag)金属の熱い原子蒸気の光ポンピング,気体中のスピン流,気体中の原子のスピンダイナミクスを中心に実験的に研究した. [Li原子のCoherent Population Trapping (CPT) による超微細分裂周波数の計測] アルカリ原子を緩衝ガス中で光ポンピングすると,原子が緩衝ガスとの衝突を繰り返し,拡散電子スピン流と拡散核スピン流が結合して流れる. その結合は,衝突により生じるスピン-回転相互作用と超微細シフト相互作用による. そこで,緩衝ガスとしてヘリウムとキセノンの圧力の異なるガラス容器を製作し,磁気シールド内でCPT共鳴を観測した. 緩衝ガス中の超微細分裂周波数シフトは,それぞれのガスで逆向きで,緩衝ガス圧に比例したシフト量が観測された. また,共鳴線幅はヘリウムの圧力に依存せず,キセノンの圧力に比例した. [高温ガラス容器の経時変化] 前年までに高温Li蒸気を封入するガラス容器を開発した. 今年は,高温で継続使用することにより,ガラス容器の経時変化を調べた. これまで7個のガラス容器を製作し,どれも数百時間の実験が可能で,現在も継続して使っている. つまり,金属Liが直接ガラスに接触しなければ,Li蒸気を分光実験の密度まで上昇させてもホウ珪酸ガラスは破壊されないことがわかった. 一方,緩衝ガスの一つであるヘリウムガスの圧力が時間とともに少しずつ減少する. 超微細分裂周波数の精密測定により,非破壊にガラス容器内の圧力変化を調べられた. 今後は,ガラスを透過してヘリウムが逃げているのか,MgOセラミクスに少しずつ吸収されているのかなどの原因を特定したい.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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