Outline of Annual Research Achievements |
日本最初のGSSP(国際境界模式層断面とポイント)の候補である千葉複合セクションにおいて,詳細な古地磁気測定および有孔虫化石の酸素同位体測定を行うことで,松山-ブルン逆転境界の年代が国際層序委員会の公式年代 (78.1万年前)より1万年若い約77万年前であることを示すとともに,当該層準における超高解像度酸素同位体層序の構築を行った (Okada et al., 2017).次に花粉化石の群集解析から古気候復元を行い,有孔虫・放散虫・円石藻の群集解析から黒潮の移動に代表される当時の水塊構造の変化の復元を行った(Suganuma et al., 2018).さらに松山-ブルン逆転境界に伴う詳細な磁場逆転過程を古地磁気と10Be測定による独立した手法を用いて復元することにより,従前の記録を遙かに上回る時間分解能と信頼性を持った磁場変動記録の復元に成功しつつある(Okada et al., 2017; Simon et al., accepted).以上の結果を最大限活用することで,日本初のGSSP候補である「千葉セクション」のGSSP申請を行い,ライバルのイタリアを退け,第2次審査を突破し,第3次審査へと進むことができた.一方,本科研費の目的である「地質年代の総合的キャリブレーション」に必要となる他の地磁気逆転年代に関する調査のため,房総半島中西部に分布する海成上部鮮新統を対象に研究を進めた.その結果,安房層群安野層における詳細な古地磁気-酸素同位体複合層序の構築に成功した (Haneda and Okada, 2019). 成果物リスト: Okada et al., 2017, EPS, doi:10.1186/s40623-017- 0627-1. Haneda and Okada, 2019, PEPS,, doi:10.1186/s40645-018-0248-8. Suganuma et al, 2018, Quat. Sci. Rev., 191, 406-430. Simon et al., accepted, EPSL.
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