2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H04079
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山本 順司 北海道大学, 総合博物館, 准教授 (60378536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鍵 裕之 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (70233666)
石橋 秀巳 静岡大学, 理学部, 准教授 (70456854)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 沈み込み帯 / 炭素 / マントルウェッジ / 流体包有物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,革新的な分光学的手法を導入することにより,マントルウェッジに存在する炭素の起源の特定をめざした.マントルウェッジは沈み込んだ海洋プレートからもたらされる流体の通り道として常に議論の舞台となっている.物理的観測によって流体の存在が間接的に推察されつつあるが,その流体の実体や分布,起源などを論じるにはマントルウェッジを直接かつ精細に調べることが有用であろう.そこで我々は,マントルウェッジ由来の捕獲岩に見られる二酸化炭素を含む流体包有物から,マントルウェッジに存在する炭素の起源を究明することに挑んだ. 平成29年度は,同位体標準となる二酸化炭素流体を作成する装置やガス抽出ユニットの整備に勤しんだ.CO2流体の13CO2および12CO2ピークから炭素同位体比を分析するには,炭素同位体比既知のCO2流体を合成しなければならない.我々は液体CO2を加圧する設備を有しているため,そのシステムに炭酸塩物質を酸分解できるユニットをつなげることで,炭素同位体比既知の高密度CO2流体をセル内に生成することができる.つまり炭素同位体比既知の人工流体包有物を作成することが可能となる.この一連の作業の要となる炭酸生成ガラスラインが完成したことで,炭素同位体比既知の二酸化炭素流体を高圧セルに導入できる段階に達した.そのほかにも,高い波数分解能を有するラマン分光分析装置を用いた分析手法にも改良を重ね続けた結果,特に室温や流体温度がスペクトルに与える影響を解明することができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通りに進んでいる.この調子を維持できるよう努める.
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Strategy for Future Research Activity |
特に改善を施す点は無いと考えているが,計画通りに進むよう努力していく.
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