2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H04094
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤芳 暁 東京工業大学, 理学院, 助教 (70371705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 宣宏 東京工業大学, 生命理工学院, 准教授 (80267955)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 1分子観察(SMD) |
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質は複合体をつくり生理機能を発現している。当該課題の研究目的は、その分子間相互作用を1分子観察できる光イメージング法を確立することにある。このような試みは世界的に見ても誰も成功していない。それは、分子間相互作用を研究するには、解像度1 nmで三次元全ての軸に対する空間情報を取得しなければならないからである。1分子からの信号は微弱であるため、このような高精度な測定には数分が必要である。生理条件では、分子は自由に運動しており、観察している間に画像がぼけてしまう。そこで、申請者らは、試料を温度数ケルビンに冷却することで分子の動きを凍結させることを考えた。これにより、凍結した瞬間の様子を鮮明に撮影することができ、分子間相互作用について研究ができるようになるはずである。 2016年度において、実験計画A1である1 nm精度のクライオ蛍光顕微鏡の開発に成功した。実験計画A1の大きな課題は、色素の微弱な蛍光を使っていかに精度良く顕微測定するかであった。蛍光色素の蛍光量を増やすことは不可能であるため、当該課題を実現するため、我々は世界で最も機械的安定性に優れ(標準偏差0.05 nmのイメージ安定性)、極限の光学性能を持ったクライオ蛍光顕微鏡を発明した。この研究内容はすでに論文を投稿中である。さらに、次年度以降におこなう予定である課題B「タンパク質の分子間相互作用の1分子イメージング」の試料作成を分担者である林宣宏准教授のグループがおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上に述べたように、2016年度において、実験計画A1である1 nm精度のクライオ蛍光顕微鏡の開発に成功し、この研究内容はすでに論文を投稿中である。さらに、次年度以降におこなう予定である課題B「タンパク質の分子間相互作用の1分子イメージング」の試料作成を分担者である林宣宏准教授のグループがおこない、目的に合致するような試料の調整に成功している。よって、実験計画A1に関しては想定通り、課題Bについては申請書以上の成果があがっている。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、実験計画A2「ポリプロリンに隔てられた2個の色素の1分子イメージング」と実験計画B「タンパク質の分子間相互作用の1分子イメージング」を行う予定である。これらの計画には試料の調整が鍵となるため、研究分担者である林宣宏准教授のグループと密に打ち合わせをおこない、研究を実行したいと考えている。
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Research Products
(4 results)