2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular Disconnection Chemistry by Transition-metal Catalysis
Project/Area Number |
16H04148
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
山口 潤一郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00529026)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | C-C結合活性化 / ヘテロ環 / ヒドロホウ素化 / 非対称二座配位子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は炭素-炭素結合切断反応を起点とする、触媒的カップリング反応・付加反応・酸化反応という革新的な有機合成反応およびそれを促進する新規触媒の開発を目的とした。本年度は芳香族エステルの脱カルボニル型カップリング反応の拡張とシクロプロパンのsp3炭素-炭素結合に対するヒドロホウ素化の開発に着手した。 前者に関しては、3つの新たな求核剤を用いた新規芳香族エステルの脱カップリング反応の開発に成功した。ヘテロ芳香環エステルとケトンのα-アリール化反応、芳香族エステルの脱カルボニル型炭素-リン結合形成反応、ニッケル触媒による芳香族エステルの脱カルボニル型アルキル化反応である。いずれの反応もニッケルおよびパラジウム触媒に独自に開発したdcypt[3,4-ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)チオフェン]が効果的であった。この3つに加えて、チオエステルの脱カルボニル型エーテル化反応の開発にも成功した。 後者に関しては、シクロプロパンのヒドロホウ素化による、炭素-炭素結合開裂型付加反応の開発に成功した。イリジウム触媒及び適切な含窒素非対称二座配位子を用いると、C-Hボリル化を伴わず、化学選択的にヒドロホウ素化を進行させることに成功した。また、共同研究により計算科学による反応機構解明を行い、ヒドロホウ素化反応の推定反応機構を支持する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
これまで挑戦されていない炭素-炭素結合活性化反応を標的とし精密分子触媒を用いて、それを開裂できることを明らかとし、そこから新しい結合生成法を見出すことを1つの目的としている。芳香族エステルのエステル開裂反応に関しては順調に求核剤の拡大に成功し、さらにシクロプロパンの開裂反応に関しても、これまでに報告がないアルカンのヒドロホウ素化反応である。本研究は当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
より新しい芳香族エステルの脱カルボニル型変換反応の求核剤の開発、ここから見いだした新しい芳香環官能基転移反応の開発、また新たな炭素結合の開裂を伴う酸化反応に関しても検討を行う予定である。
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[Journal Article] Design, synthesis and evaluation of γ-turn mimetics as LSD1-selective inhibitors2018
Author(s)
Ota, Y; Miyamura, S.; Araki, M; Itoh, Y.; Yasuda, S.; Masada, M.; Taniguchi, T.; Sowa, Y.; Sakai, T.; Itami, K.; Yamaguchi, J.; Suzuki, T.
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Journal Title
Bioorg. Med. Chem.
Volume: 26
Pages: 775-785
DOI
Peer Reviewed
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