2017 Fiscal Year Annual Research Report
PDMSマイクロ流体デバイスの特性を活かしたddPCRプラットフォームの構築
Project/Area Number |
16H04171
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
橋本 雅彦 同志社大学, 理工学部, 准教授 (20439251)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロフルイディクス / ドロップレット / エマルション / マイクロ流体デバイス / ピエゾマイクロポンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に達成目標としていた液滴生成速度の向上が十分には達成されていなかったため、平成29年度も引き続き同目標の実現に取り組んだ。具体的には、ポリジメチルシロキサン(PDMS)製のシートに多数のマイクロピラーをフォトリソグラフィー技術を用いて作製し、これを脱気した後、マイクロ流体チップに装着した。前記PDMSシートはマイクロピラー構造により大きな比表面積を有するため、高い吸引力を備えた真空アクチュエータとして機能し、油相および水相の送液速度が大幅に増大した。これにより液滴の最大生成速度は約500滴/秒に達し、従来よりも2桁高速な液滴調製を実現することができた。 平成29年度は、上記の検討とは別に、ダイアフラム式ピエゾマイクロポンプを用いたマイクロ流体制御システムを新規に開発した。本システムの基本性能を評価したところ、ポンプ制御入力電圧をオンにした瞬間から1秒以内に定常的な液滴生成が得られるという優れた特性を有することが見出された。また、液滴生成速度は、約1000滴/秒にも達することを確認した。さらに、平成29年度に目標としていた液滴の定点スクリーニングに本システムが適用可能であることを実証した。この研究成果は、下記学術誌に掲載された。
‘A compact and facile microfluidic droplet creation device using a piezoelectric diaphragm micropump for droplet digital PCR platforms’, Naoaki Okura, Yuta Nakashoji, Toshihiro Koshirogane, Masaki Kondo, Yugo Tanaka, Kohei Inoue, and Masahiko Hashimoto, Electrophoresis, 38, 2666-2672 (2017).
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載したとおり、平成28年度に達成することができなかった課題に継続して取り組み、第一ステージの目標としていた液滴生成速度の向上を達成することができた。平成29年度は、本研究課題の第2ステージと位置付け、液滴スクリーニングデバイスの開発を主たる目標として研究に取り組み、新規開発したマイクロ流体制御システムによって液滴の定点スクリーニングが可能であることを見出した。しかし、到達目標としていたkHzオーダーの液滴スクリーニングレートを実現するには至っておらず、引き続き検討を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、平成29年度に到達目標としていたkHzオーダーの液滴スクリーニングレートを実現するための検討を継続する。また、これと並行して、本研究で開発した分析プラットフォームの有用性を実証するために、(1)癌関連遺伝子の点突然変異アレルの選択的検出、および(2)λDNAコピー数の絶対的定量の二つのアプリケーションに焦点を絞り研究を実施する。
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Research Products
(8 results)