2017 Fiscal Year Annual Research Report
Protein synthesis using circular RNA
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16H04178
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 洋 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (80415067)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 翻訳 / RNA / 環状 / ナノバイオ |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究グループでは、比較的短い環状一本鎖RNAを鋳型にしてローリングサークル型翻訳反応が起きること、またこの反応では高効率にリピートペプチドを生じうることを明らかにした。本反応を利用すれば、繰り返し配列を持つ長鎖ペプチド合成が可能になる。そこで、本研究では抗原ペプチドをコードする長鎖ペプチドを、大腸菌系を用いて合成することを目指した。まず始めに、テトラヒメナのグループIイントロン配列によるスプライシング反応により転写RNAが環化反応を引き起こし、菌体内で翻訳鋳型となる環状RNAを発生する系を作成した。インビトロの系で、本配列が環状RNAを発生することを確認した。次いで、本系をタンパク質発現用ベクター pETシステムに導入し、そのもので大腸菌BL21(DE3)を形質転換し、菌体を培養した。その結果、目的とする長鎖ペプチドが菌体内で合成されうることを確認した。また、その合成はIPTGで誘導可能であった。ここで、菌体内における環状RNA生成量を増加させることを目指し、環状RNA発生に有利になると考えられる条件を試みた。すなわち、培養時の培地の液性をpH 8.4に上げ、またスプライシング反応に作用するマグネシウムイオン濃度を増加させた(10 mM)、目的生成物の増加は見られなかった。今後は、より目的長鎖ペプチドの生成量を増加させるために、種々の条件検討を行う。また、目的ペプチドの単離精製を行う。目的ペプチドがFLAGタグ配列を含むことから、まずは抗FLAG M1抗体結合担体を用いての精製を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環状RNAの合成法を確立し、配列の最適化を行えるようになったため。
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Strategy for Future Research Activity |
目的とする長鎖抗原ペプチドの生成を確認した。今後は、目的物の収量を改善するために、合成条件(用いる菌体の種類や培養条件の検討)の検討を行う。同時に、目的物の精製条件を検討する(アフィニティー精製およびイオン交換樹脂等を使用する)。
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