2016 Fiscal Year Annual Research Report
環状シロキサンポリマーを利用したボトムアップ的ハイブリッドナノコーティング
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16H04197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三ツ石 方也 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70333903)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環状シロキサン / ヒドロシリル化反応 / コーティング / ハイブリッド |
Outline of Annual Research Achievements |
4つの反応点を有する環状シロキサンとコハク酸無水物を含む機能団を用いてヒドロシリル化反応を行うと、4つの全ての反応店にコハク酸無水物が導入された環状シロキサンを収率60%で得られた。さらにアミン誘導体とこの化合物を反応することで、一つの環状シロキサンに8つの炭化水素鎖を有する化合物が得られた。これらの反応を経て、もともと油状であった環状シロキサンが最終的には白色粉末状に変わる。このことは湿式法を利用した環状シロキサンの組織化が期待できることを意味する。得られた化合物はクロロホルムやトルエンには可溶であるのに対し、テトラヒドロフランでは溶解性が悪くなり、メタノール、アセトン、ヘキサンには難溶である。例えば、クロロホルムに溶解した溶液を利用して水面上に環状シロキサンを展開し、Langmuir-Blodgett法により単分子膜厚1.47 nmの環状シロキサン超薄膜が得られた。すなわち、環状シロキサンとアミド結合を介した炭化水素鎖を組み合わせることで両親媒性が環状シロキサンに付与され、界面を利用した環状シロキサンの構造制御が可能となる。良溶媒・貧溶媒を組み合わせた混合溶媒に溶解した環状シロキサン溶液を基板上にドロップキャストし溶媒蒸発を行うと、環状シロキサンがファイバー状ネットワーク構造を示した。表面に滴下した水滴の接触角は160°以上となるなど環状シロキサンを利用した表面濡れ性制御の可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環状シロキサンの機能化について、コハク酸無水物とのヒドロシリル化反応や環状シロキサンポリマーとピナコール酸エステルとの高分子反応について検討を行い、いずれも高収率で反応が進行することを突き止めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
低分子系、高分子系両方の環状シロキサンポリマーを利用したナノコーティングを検討していく。
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