2017 Fiscal Year Annual Research Report
環状シロキサンポリマーを利用したボトムアップ的ハイブリッドナノコーティング
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16H04197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三ツ石 方也 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (70333903)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環状シロキサン / ハイブリッド / ポリマー / ボトムアップ |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで、カテコール基を有する環状シロキサンポリマーを用いて、PETやPI、PMMA等のプラスチック基板表面を、ディップ法により均一に約40nmの膜厚でナノコーティングできることを示し、さらに市販の銀インクに純水を加えて調整した銀インク水溶液に浸漬することで銀ナノ粒子を高密度集積することを報告している。本年度は、ZnOナノ粒子について、環状シロキサンポリマーへの集積を検討した。酢酸亜鉛二水和物を出発原料として粒径約25nmのZnOナノ粒子を合成した。カテコール基を有する環状シロキサンポリマー溶液に15分浸漬し、リンス後ZnOナノ粒子分散液に浸漬することで、ZnOナノ粒子が高密度に集積した層が環状シロキサンポリマー薄膜表面に形成されることを走査型電子顕微鏡により確認した。PMMA基板上にカテコール基を有する環状シロキサンポリマーとZnOナノ粒子層を積層し、剥離試験を行ったところ、ZnOナノ粒子層は剥離することなくPMMA基板上に積層されていることを確認した。ZnOナノ粒子層上に金電極を真空蒸着により作製し、紫外光を照射したところ、紫外光強度に応じた電流を計測することができた。紫外光強度は100μW/cm~2オーダーであった。光電流と暗電流の比は約4000であった。ZnOナノ粒子の高温焼結処理をすることなく、紫外光センサが構築できたことを意味する。この基板を自作の曲げ試験機により曲率半径3mmで曲げた後に測定を行ったところ、1000回の曲げに耐えることができた。ヒドロシリル化反応による4官能性環状シロキサンへの機能団導入について、カテコール基を導入することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
環状シロキサンをビルディングブロックとしてヒドロシリル化反応による高分子化に成功し、カテコール基を導入することで、様々な基板上へのナノコーティングが可能であることを実証した。
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Strategy for Future Research Activity |
環状シロキサンポリマーについて、分子量制御の可能性が解決すべき問題の一つである。ヒドロシリル化反応の特徴と問題点を明確にする必要がある。
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