2018 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular origin of nonideal behavior for intrinsic birefringence of polymers
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16H04204
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 正志 大阪大学, 理学研究科, 教授 (80201937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片島 拓弥 大阪大学, 理学研究科, 助教 (20759188)
浦川 理 大阪大学, 理学研究科, 准教授 (70273539)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 複屈折 / 粘弾性 / 複屈折の非理想性 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子系の複屈折について,その温度依存性など非理想的な振る舞いの原因の解明を目的とした.これまでに,種々の高分子の固有複屈折の測定および文献調査を行い,さらに計算機シミュレーションとの比較を行った.ここで,計算では分極率の異方性のみを考慮している.その結果,実験値と計算値には,系統的な誤差が存在することが明らかになった.この原因は,セグメントの形態複屈折に由来するものと考えれば,固有複屈折は圧力に依存すると考えられる.そこで,偏光変調法による高感度の複屈折測定装置を開発し,さらに圧力セルと組み合わせることで,高分子の固有複屈折の圧力依存性を検討した.高耐圧のセルの窓材には,強度の観点からサワァイヤを使用する必要があり,その結晶に由来する複屈折の影響の校正方法をまず検討した.ポリスチレン,ポリカーボネートについて測定を行ったところ,圧力依存性は弱く装置の残留複屈折と同程度であった.最終的には,複屈折の圧力依存性は,10/GPa程度となった.この値は,圧縮率を用いた推定値に比べて1000倍程度大きいことから,形態複屈折が関与していることが示唆された.次に,固有複屈折の温度依存性ついて検討を行った.PSの固有複屈折の温度依存性の係数は,0.01/K程度であった.これは,dCR/dTで,~10^-11/(PaT)に相当する.高分子の熱膨張係数が0.001/K程度であることを考えると,固有複屈折の温度依存性ははるかに大きく,この場合も形態複屈折が関与していることが示唆された.
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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