2017 Fiscal Year Annual Research Report
Preparation of Novel Silicon Nitride Ceramics Using Non-oxide Sintering Agents and Their Applications for Structural/Functional Materials
Project/Area Number |
16H04228
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋田 俊之 東北大学, 工学研究科, 教授 (40180814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 剛 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30436159)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 材料設計 / プロセス / 物性 / 評価 / セラミックス / 焼結助剤 / 高温特性 / トライボロジー特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の非酸化焼結助剤の物質探査に関する検討結果に基づき,La2Si4N6CならびにY2Si4N6Cを対象とした放電プラズマ焼結法を用いた作製条件の最適化を行た.La2Si4N6Cについては温度・圧力条件を系統的に変化させても2層に分離した固化体が作製されるのみで,X線解析においてもLa2Si4N6Cの形成には至らなかったことが示されている.一方,Y2Si4N6Cについては放電プラズマ焼結法により均質な固化体を作製することができ,X線解析によってY2Si4N6Cの生成を確認した. 次いで,最適化ならびに作製に成功した10 wt.% Y2Si4N6C を助剤として用いて,Si3N4の焼結体を作製することに成功した.比較材料として,酸化物焼結助剤である10 wt.% Y2O3を用いたSi3N4も作製した.透過電子顕微鏡を用いた室温での観察により,Y2Si4N6Cを助剤とするSi3N4ではY2Si4N6Cは結晶質であることに対して,Y2O3を用いたSi3N4では,Y2O3は非晶質であることを明らかにした.さらに,ボールオンディスク試験法を実施することによりSi3N4焼結体のトライボ特性を評価し,10 wt.% Y2Si4N6C を助剤とする焼結体の大気中ならびに水中におけるストライベック線図を求めた.広範な接触条件に対して良好な低摩擦特性を示すことを見出している.今後は,10 wt.% Y2O3用いたSi3N4の評価も行い,焼結助剤種のトライボ特性に及す影響を明らかにする予定である.さらに,3点曲げ試験による高温強度評価を行い,10 wt.% Y2O3では1200℃以上では顕著に強度低下することに対して,10 wt.% Y2Si4N6Cにおいては1300℃までほぼ強度低下が顕著には観察されないことを示した.今後,さらに高温領域での特性評価を実施する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度に実施した物質探査に基づき,非酸化物焼結助剤としてY2Si4N6Cを合成することに成功し,かつ,世界で初めて非酸化物焼結助剤を用いたSi3N4の緻密な焼結体を作製している.この成功は,当該分野に大きなインパクトを与える成果である.また,開発した焼結体の,初期的ではあるもののトライボ特性ならびに高温強度特性について評価試験を行い,良好な特性を示すデータが取得されている.特性に優れた特性のSi3N4を開発できる見通しが得られているものと判断している.今後の研究推進の土台が構築できたものと考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度で作製に成功したY2Si4N6Cを用いて,助剤添加量,焼結の温度ならびに圧力条件を系統的に変化させた作製実験を実施する予定である.また,装置ならびに試験法の整備を完了したトライボ特性試験ならびに高温強度特性試験を広範な実験条件で行う予定である.ここで得られる知見は,いずれも世界で初めてのものとなる.微細組織と各種特性との関係について十分に検討するとともに,熱伝導特性の評価も推進する.研究推進において,特に問題点はない.
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Research Products
(3 results)