2017 Fiscal Year Annual Research Report
圧電高分子マルチプリンタの開発と動く三次元構造物の造形
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16H04230
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
村澤 剛 山形大学, 大学院理工学研究科, 准教授 (90348467)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西岡 昭博 山形大学, 大学院有機材料システム研究科, 教授 (50343075)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 圧電高分子材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
1-1. PVDFの圧電特性の超高性能化 P-pプリンタにて液滴を連結・構造化させた後に乾燥させることで、溶液内のマランゴニ流れを制御することを試みた。実験を通して、複数の溶媒からなるPVDF混合溶液を用いることで、液滴乾燥後に得られるPVDFフィルムの結晶構造が制御可能になることを見出した。この手法により、プリンターのインクとして必須である乾燥時間の短縮も可能となる。そして、このPVDF混合溶液の液滴乾燥による結晶化のメカニズムを詳細に調べるために、新たに液滴の結晶構造計測システムの構築を着手し始めた。さらに、プリンテッドPVDFフィルムの圧電特性を詳細に評価するために、Sawyer-Tower回路を用いたD-Eヒステリシス特性評価システムを構築した。このシステムを用いることで、プリンテッドPVDFフィルムの分極の程度(残留分極値)を測定することができる。 1-2. 三次元構造化マルチプリンタの開発 デシケータ中にx、y、z軸自動ステージとシリンジポンプを組込んだ、P-pプリンタをバージョンアップした高分子溶液の滴下・乾燥制御装置(3D試作積層プリンタ)を作成した。これにより、μオーダでの滴下位置制御、 μリットル単位の滴下量制御が可能となる。装置は全てオリジナルソフトウェアにより外部PCから制御可能とした。また、pリットル単位で滴下量制御可能なインクジェットヘッドを用いて、プリンタの描画精度を飛躍的に高める研究を着手し始めた。また、プリンテッドPVDFフィルム表面に、常温で電極を作成可能な「電極プリントシステム」の開発も同時に進め始めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度の研究では、申請書で記述していない発見があった。プリンテッドPVDFの結晶構造制御が可能でプリント中の乾燥時間も短縮可能な、新たな圧電高分子インク作成の可能性を見出すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな圧電高分子インクの開発を進めるとともに、より高精細にPVDFフィルムを描画可能な三次元構造化マルチプリンタの開発を行なっていきたい。
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