2016 Fiscal Year Annual Research Report
Proposition of stochastic multiphysics and multiscale modeling with its applications and validation
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16H04239
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高野 直樹 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (10206782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 章夫 京都工芸繊維大学, 総合教育センター, 准教授 (80569533)
松田 哲也 筑波大学, システム情報系, 准教授 (90345926)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マルチフィジックスモデル / マルチスケールモデル / 複合材料 / 金属3D造形 / 確率的シミュレーション / 不確かさ |
Outline of Annual Research Achievements |
1.基盤となる計算手法の開発 : (1)FRPのハンドレイアップ成形、RTM成形における樹脂流れと繊維束の変形のマルチフィジックスモデルの記述を行った。 (2)裾野分布に注目した独自のサンプリング法を改良し、高効率・高精度なRTMプロセスのモンテカルロシミュレーションを完成させた。 (3)多数の物理的ランダムパラメータを用いた確率均質化法の一般化された定式化を完成させ、プロトタイププログラムの開発と検証を行った。 2.基礎データ取得 : (1)FRPのハンドレイアップ成形において生じるミクロ構造に関するパラメータ化と統計データ取得を行った。また2Dモデル生成が可能であることも確認した。 (2)マイクロドロップレット試験による樹脂-繊維界面の破壊試験方法を確立した。 (3)金属3Dプリンティングによるセル構造体造形品に対し、マイクロCT撮像、密度計測、圧縮強度の取得を行い、造形不良の統計データ取得、および計測値と造形パラメータとの相関を考察し、新たな知見を得ることができた。 3.テキスタイルFRPの確率的マルチフィジックス・マルチスケールモデリング : FRPのハンドレイアップ成形中に生じる繊維束変形の予測結果が、実験結果とよく一致することを確認した。さらに、繊維束変形により繊維含有率の分布の予測手法も確立することができた。 4.骨スキャフォールド(セル構造体)の金属3Dプリンティング : マルエージング鋼およびアルミ合金による造形を行い、マルエージング鋼の場合に造形不良に基づく確率均質化解析結果と圧縮剛性の計測値との比較を行い、定性的ではあるがよい一致が得られた。 5.応用・発展探索 : 焼入れなどの金属熱処理シミュレーションにおける不確かさの評価にPIRTを活用するアイディアを得て、研究計画を策定した。 6.情報発信 : 計画通り、成果は計算工学講演会、WCCMなどで発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書の本年度の研究実施計画の6項目について、前記の9.研究実績の概要の通り、すべての研究項目について順調に進展した。特に、多数の物理的ランダムパラメータの考慮ができた点、焼入れなどの金属熱処理シミュレーションという具体的な応用分野の策定が行えた点は、予定以上の進展があったといえる。後述の研究発表も十二分な数の発表ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
FRPに関する研究は、初年度の成果をまとめつつ、確率均質化から確率局所化へと発展させる見通しを立てることができた。金属3D造形に関しては、アルミ合金の場合に体積が大幅にばらつく結果となったため、深く追求することにより興味深いデータが得られるめどが立った。また積層方向の影響や、金属粉の再生利用の影響など、重要な造形パラメータの絞り込みを行うことができたため、次年度の計画に反映させる。応用・発展探索についても同様である。全般に、順調に成果が得られ、今後の発展を見込むことができるものである。
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