2018 Fiscal Year Annual Research Report
機能性表面を有する低侵襲外科治療系医療デバイスの開発
Project/Area Number |
16H04244
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎本 俊之 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20403149)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 研削加工 / 医療機器 / 骨切除 / 皮膚切開 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨切除用研削工具,すなわちダイヤモンドバー(ダイヤモンド砥粒を用いた小径の電着砥石)の開発については,前年度の研究において,骨切除時に発生する熱に関する基本的なメカニズムを明らかにし,そして発熱の主要因である骨切りくずの工具表面への付着を抑制する研削工具を開発した.しかし,その開発研削工具を用いても10℃程度の温度上昇が生じてしまうこと,そして切りくず付着抑制効果が持続しないことがわかり,本年度はその原因解明と解決を検討した.まず,切りくず付着抑制を目的としたフッ素による工具表面処理について,その改善を実施した.具体的にはフッ素処理剤の改良,および工具表面の前処理について検討を行った.その結果,一定の効果はみられたものの,上記課題を解決するには至らなかった.そこで,研削工具表面をフッ素などにより化学的に改質するのみならず,微細な構造を付与することで切りくず付着を大幅に抑制することができ,温度上昇程度を小さくでき,またその効果をより持続することができた.しかしながら,突発的な切りくず付着,またそれにともなう温度上昇を抑制することは困難であることがわかった.そこでさらに研究を進め,骨切りくずの特性を詳細に調査した結果,これを工具表面から積極的に捕捉,除去する可能性を見出すことができた. 皮膚切開用工具,すなわち医療メスの開発については,工具表面にテクスチャを設けることで付着物生成を抑制できることを見出した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最終目標にはまだ到達していないが,予備実験を通じて,問題解決の方策は判明しており,順調に進展していると判断される.
|
Strategy for Future Research Activity |
骨切除用研削工具については,予備実験を通じて,骨切りくずを積極的に除去できる方策を見出しており,それをデバイス化することで,本研究の目標を達成する. 皮膚切開用工具については,前年度研究で開発した工具について耐久性を含めた総合的評価を行い,その有用性を確認する.
|
Research Products
(2 results)