2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on Solid Building Control of Multi-Material Additive Manufacturing
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16H04250
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
楢原 弘之 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (80208082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是澤 宏之 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (70295012)
中谷 久之 長崎大学, 工学研究科, 教授 (70242568)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 高速プロトタイピング / アディティブ・マニュファクチャリング / ラピッドプロトタイピング / 3Dプリンター / 付加製造法 / Additive Manufacturing |
Outline of Annual Research Achievements |
材料の接着・接合のメカニズムには、①機械的結合(アンカー効果)と②物理的相互作用(分子間力)、③化学的相互作用(化学結合)の3つの作用が関わる事が知られている。これらの接合状態を定量的に評価測定するために、①アンカー効果の評価には、形状解析レーザ顕微鏡による表面粗さ測定で、②分子間力の評価には接触角計による表面自由エネルギー測定で、③化学結合の評価にはFT-IR装置の赤外スペクトル分析による分子構造解析を用いて、種々の造形条件を与えた時の、造形中の積層表面をサンプリングし測定する事で評価していく。平成28 年度は、以下の内容を遂行した (1) 異種材料のFDM 法の基礎実験装置の構築:積層プロセス効果を実験可能となるように、機械的粗面化・化学的活性化の可能な実験装置を構成した。接合前処理の具体的方法として、超音波振動による表面の機械的粗面化の可能なデバイスを開発し、実験装置に組み込んだ。また大気圧プラズマヘッドも組込み、接合面の表面改質が可能となるように実験装置に組み込んだ。これらの前処理装置を利用して異種材料の界面接合への効果を試験可能な実験装置を構成した。 (2) FDM 法の界面接合力基礎実験:機械的粗面化に関して、造形条件パラメータを変化させた時の、積層面の表面粗さを測定し、破断試験の結果と比較した。基礎実験により、粗面化ブレードの違いによる機械的粗面化の程度が接合力に影響を与える事を確認した。また積層面の造形時の温度低下が接合力へ影響する可能性を示唆する結果が得られた。 (3)FDM 法の界面接合状態の解析:種々の造形条件による積層面の表面粗さの測定結果と、破断試験から、材料が付加的に積層接合される際の材料同士の接合強度・密着性の実験結果を得た。また組織観察の情報など、接合制御に対する基礎的なデータを得られるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験装置の構築等、おおむね予定通りに進んでいる。しかしFT-IRによる赤外分光分析装置について、通常とは異なる配置で使用しているためか、標準サンプルの結果が異なって出力されている。その原因を現在調査しており、対応策について検討中。 また、実験装置の位置決め精度を高めるため、装置構成についても再検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究実施計画は、昨年度の実験装置、研究成果を引き継いで、以下を予定している。 (29-1) 異種材料のFDM法の界面接合力基礎実験:造形条件パラメータを変化させた時の、積層面の表面粗さ、表面自由エネルギーへの影響を測定し破断試験の結果と比較する。また積層界面の組織観察並びに分子構造分析等を実施する。昨年度に引き続き、材料の種類を増やして、異種材料同士の組み合わせにおける種々の造形条件パラメータを変化させた時の、積層面の表面粗さ、表面自由エネルギーへの影響を測定し、破断試験の結果と比較する。また、積層界面の組織観察並びに分子構造分析等を実施する。 (29-2)FDM法の基礎現象解析:種々の造形条件による積層面の表面粗さ、表面自由エネルギー、分子構造解析の測定結果と、破断試験の実験結果から、材料が付加的に積層接合される際の材料同士の接合強度・密着性についての理論的予測と実験結果を比較する。また組織観察等の情報と総合し、接合制御に対する有効な条件等を考察する。また、FDM法の熱伝導、輻射現象に対して、造形プロセスの温度場解析を行い、3次元造形に適切な実験装置の構成を調べる。 (29-3) FDM 法の基礎実験装置の構築:FDM法において種々の雰囲気環境下での基礎実験が可能となるように基礎実験装置を構築する。
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