歩行者と同じ感覚で同じように移動でき、思い通りに運転可能な全方向移動乗り物の開発

2017 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16H04257
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 小森 雅晴 京都大学, 工学研究科, 教授 (90335191)
• Project Period (FY): 2016-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: 乗り物

Outline of Annual Research Achievements

近距離の移動を便利にするため、これに適した移動装置が求められている。特に、任意方向に移動できる移動装置であれば便利であり、望ましいと考えられる。しかしながら、従来の移動装置は前後に移動することや移動する方向を変えることはできるが、真横への移動や向きを変えずに斜めに移動することはできないという課題があった。そこで、本研究では新しい車輪メカニズムを用いた全方向移動可能な移動装置を開発することを目的とする。これにより、歩行者と同じ感覚で同じように移動でき、思い通りに運転可能な全方向移動乗り物を実現することを目指す。
小型全方向移動装置を開発するための準備として、平成２８年度に小型全方向駆動車輪の構想設計、詳細設計と、車輪メカニズムの運動に関する理論を構築した。また、移動装置の基本構造の検討を行った。平成２９年度は、小型全方向移動装置の仕様検討を行った。開発する移動装置が実現すべき機能を明確化した。次に、仕様を基にして小型全方向移動装置の構想設計を行い、移動装置の全体構造や使用する機構について検討した。次に詳細設計を行い、機能を実現するために必要となる各部の構造や材料を決定した。詳細設計後に一部の試作を行った。小型全方向駆動車輪の製作を行い、その際に部品製作時や組み立て時の課題、今後に改善すべき点などを調査した。また、改善活動を行った。製作した小型全方向駆動車輪を用いて調査を行い、本車輪が前後、左右、斜めの方向の移動が可能であることを確認した。

Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

平成２９年度までに小型全方向駆動車輪の構想設計、詳細設計、製作を行った。また、小型全方向移動装置の仕様検討、構想設計、詳細設計を行い、一部の試作を行った。当初に予定していた研究実施計画をおおよそ実施できていることから、おおむね順調に進展していると判断する。

Strategy for Future Research Activity

平成３０年度は、小型全方向移動装置の試作の続きを行い、製作や組み立て時の問題点の調査を行う。次に試作した小型全方向移動装置の基本的な動作の調査を行う。小型全方向移動装置を用いて、前後、左右、斜めの移動、旋回の実験を行う。この際の移動装置の動作を評価し、問題点を明確化し、必要があれば調整を行う。