2016 Fiscal Year Annual Research Report
先端的流体光計測法による圧縮性マイクロダクト流れに特有な現象と熱伝達特性の解明
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16H04269
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
半田 太郎 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30284566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 佑 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (20402513)
江上 泰広 愛知工業大学, 工学部, 教授 (80292283)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 超音速流れ / マイクロ流れ / レーザー誘起蛍光法 / 圧縮性流れ / 境界層 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,超音速マイクロダクト流れにレーザー誘起蛍光法を適用し,ダクト内部の流れの密度を計測した.流れに微量のアセトンをシードし,Nd:YAGレーザーの4倍高調波を照射して得られたアセトンの蛍光の強度分布をイメージインテンシファイア付CCDカメラにより取得した.蛍光強度分布は流れの密度のみの関数となっているので,蛍光強度から密度分布を求めた.その結果,スケールの大きい超音速内部流れでは観測されない膨張領域,すなわち超音速マイクロ内部流れに特有な現象が観測された.この現象は,気体の密度が低いほど,すなわちレイノルズ数が低いほど顕著になることが実験で明らかになった. また,三次元圧縮性ナビエ-ストークス方程式を支配方程式とした数値シミュレーションも実施した.その結果,本シミュレーション結果は実験結果と良く一致した.実験を行った条件において,数値シミュレーション結果は実験結果を良く再現したので,数値シミュレーションコードは十分に検証されたとみなし,数値シミュレーションにより超音速マイクロ内部流れに特有な現象が現れる物理的な理由を考察した.その結果,超音速マイクロ内部流れでは背圧の情報が圧力波となって境界層中を伝播することが明らかになり,この情報の伝搬がマイクロスケール特有の膨張を引き起こすことが明らかになった.すなわち,スケールの大きな超音速内部流れでは背圧の情報が流路内部を伝搬する現象は起こらないので流れの現象は流路壁の摩擦に支配されるが,超音速マイクロ内部流れの現象は摩擦と先述の情報伝搬の両方に影響を受けることが明らかになった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
レーザー誘起蛍光法により超音速流れに特有な現象が観測され,その現象が現れる理由を詳細に調べるために若干時間を要したため,研究の進捗がやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
感圧塗料により超音速マイクロダクト流れの計測を行い,流れの膨張圧縮過程をより詳細に調べる.
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Research Products
(10 results)