2017 Fiscal Year Annual Research Report
Freezing Enhancement for Supercooled Ice Nucleation by Electrostatic Cooling based on Double Layer Theory
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16H04276
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小林 厚子 東京工業大学, 地球生命研究所, 研究員 (50557212)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 静電冷却 / 2重境膜理論 / 過冷却氷晶 |
Outline of Annual Research Achievements |
微粒子を除去した水の場合、過冷却が促進する。そして過冷却氷晶を形成し始める。この氷晶は無針状であるが、融けやすい為、過冷却氷晶状態からできるだけ早く熱を奪い凍結固体化する必要がある。静電界中で発生するコロナ風が2重境界層膜を拡散することに注目し、過冷却氷晶の温度下降を促進する技術の確立を目的としている。本研究では、過冷却から氷晶形成過程(融解熱を放出する)に移行する直後に実験が開始できるような体制が必要となる。そのためには、標準水として使う試料水が過冷却を生じる条件を見出すことから始まった。次に、試料中の磁性体含有量と氷晶核サイト数の測定法の確立が必要であり、カリフォルニア工科大学の縦型SQUID装置測定下部位に液体窒素を常時流すダクトを設置することで、試料の凍結状態を保つことが可能になった。次の研究段階として、コロナ放電用の針状電極の試作と高圧電極の設置に取りかかり、現在、コロナ風による液体の温度降下効果を数段階に分けて検証中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
標準水として使う試料水が過冷却を生じる条件を見出すのに、時間を要した。次に、コロナ放電用の針状電極の試作と高圧電源(20 kV)の設置に取りかかったが、高圧電源装置の取り付けの際、放電針と試料と放電してしまい、その防止策に手間取っている。試作する装置に光ファイバー温度センサーを取り付けたが、光ファイバーケーブル4本のうち、3本が不良品であったことが判明、海外の製品であったため、その交換に4ヶ月要し、全体的にやや遅れているが、研究課題の目的達成に向けて、進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ風による、室温における液体の温度降下効果を数段階に分けて検証中である。次に、過冷却氷晶の温度降下検証に向けて、冷凍庫内での温度制御と放電用のプログラミングに着手する。そして、冷却効果と熱収支計算により、理論モデルの考察をおこない、新凍結装置の可能性をさぐる。
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Remarks |
プレスリリース
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