2016 Fiscal Year Annual Research Report
液体燃料の微粒化と燃焼振動の相互作用メカニズムの解明
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16H04278
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
黒瀬 良一 京都大学, 工学研究科, 准教授 (70371622)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高垣 直尚 兵庫県立大学, 工学研究科, 助教 (00554221)
立花 繁 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 航空技術部門, 研究領域リーダ (50358496)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 燃焼 / 燃焼振動 / 微粒化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度に得られた成果は以下の通りである。 (1)液体微粒化・燃焼の数値シミュレーション 液体燃料の微粒化を考慮可能な燃焼数値シミュレーションを可能とするため、LES/圧縮型Dynamic thickened flame法へのLagrangian微粒化モデルの導入、試計算を実施した。また、液体燃料の微粒化現象をより詳しく調べるため、VOF/Level-set法を用いた液体微粒化のEulerian数値シミュレーション技術の開発、試計算を実施した。さらに、これらの2つの数値シミュレーションをカップリングさせる手法(LES/VOF/Level-set/ Eulerian-Lagrangian 法)の試作を行った。この結果、開発したLESコードは実現象を再現可能であることが確認できた。 (2)液体微粒化・燃焼の実験 代表風速134m/sの状態における高速クロスフロー微粒化実験を実施可能な高速風洞装置の作成・据付を行った。本高速風洞装置は全長1.8mであり、テストセクションは0.03mの正方断面である。液体挿入口の直径は0.2mmとし、液体の流入流速を0.23ml/sとした。代表風速をピトー管を用いて測定し、微粒化の様子をシャドウグラフ法を用いた高速度カメラを用いて撮影した。その結果、(1)高速風洞装置の作成に成功したことを確認し、(2)コラムブレークアップ、バグブレークアップ、マルチプルブレークアップの3つの形態の微粒化を観察した。さらに、脈動装置を用いた実験においては、(3)定性的には脈動時と非脈動時の微粒化形態に差異は見られないことを確認した。なお、この実験条件は、JAXAでの実機条件試験に基づいて決定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微粒化を考慮可能な燃焼数値シミュレーションコード、および微粒化現象のみをより厳密に再現可能なEulerian数値シミュレーションコードが開発された。また、基本となる実験装置も制作された。従って、当初の計画通りおおむね順調に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
LES/VOF/Level-set/ Eulerian-Lagrangian コードの試作に成功し、動作確認まで行ったが、現状では未だ不安定、かつ計算負荷が高いことが判明した。そのため、平成29年度は、この改良に力を入れると共に、改善されない場合には新たな微粒化モデルの導入を検討する等、対応策も検討する予定である。
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Research Products
(7 results)