2017 Fiscal Year Annual Research Report
Intelligent chemical actuators and scientific principle of chemical mechanics
Project/Area Number |
16H04306
|
Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
前田 真吾 芝浦工業大学, 工学部, 准教授 (40424808)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ゲルポンプ / ソフトアクチュエータ / ゲルアクチュエータ / 自律駆動 / 振動反応 |
Outline of Annual Research Achievements |
糖尿病は若い人に発症が多く,完治が困難である.その患者は,血糖値コントロールのために注射によってインスリンを自己投与することが一般的である.しかし,注射による自己投与は,痛みや皮膚の変質等,QOLが低下する.そこで,本研究は体内で自律的に制御されるデバイスである.これまで自律駆動ゲルのポンピ化に関する研究を推進し,発生力や流量の制御はおおむね目途がついてきた.本研究では反応溶液の濃度を調整し,自律駆動ゲルにひずみをかけることで振動を制御することを目的とした.またその振動特性を解析し自律駆動の制御について考える.本研究により,新規な医療用デバイスの開発や自律駆動ゲルの応用研究がより加速されることが期待される.比較的硬めのゲルで治具を作成し,自律駆動ゲルの試験片を作成し,引張試験機に取り付け引張を行った.初期条件として,水槽内のBZ溶液(硝酸+臭素酸ナトリウム+マロン酸)の温度を20℃,溶液の初期濃度を 硝酸:臭素酸ナトリウム:マロン酸=0.895:0.084:0.0625(M)とした.溶液の条件は,ひずみをかけていない状態でBZ反応しない程度の濃度に設定した.反応停止後にゲルにひずみをかけ,BZ反応のON-OFfを試み,ある条件において振動状態を力学的な拘束条件によって制御することができた. さらにゲルポンプの発生力が大きくなったので,自己フィードバック型のゲルポンプの可能性について検討をはじめた.つまり,自身へのフィードバックを力学的におこなうことができるスマートマテリアルを創成することが示唆された.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画ではインスリンの制御まで行う予定であったが,ゲルポンプに関するスマートメカニズムについて新しいアイデアが生まれた.そこで,新しいアイデアに対する議論を海外の研究者とはじめ,計画が少し遅れることになった.
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでのゲルポンプのスマートメカニズムに関する研究を論文として投稿する.さらに力学的な制御とインスリン放出に関する実験をできるだけ早く推進する. ゲルポンプのスマートメカニズムについて,当初の予想より発生力を大きく取り出すことができた.このことにより,自己フィードバック型の自律駆動ポンプの可能性が出てきており,非常にインパクトのある研究の方向性が見えてきた.つまり,化学的な現象と力学的な現象がカップルし,さらに自己フィードバックや複数のゲルポンプを設計した場合,相互結合型のネットワークも構築できる可能性がある.つまり,ケミカルロボットの知能化について,当初計画よりより高機能な化学的知能を創造できる可能性があることが期待できる.
|
Research Products
(16 results)