2017 Fiscal Year Annual Research Report
Switching Assist Technology of Power Converter and Its Applications
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16H04316
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
野口 敏彦 静岡大学, 工学部, 教授 (10237828)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電気機器工学 / 電気自動車 / ハイブリッド車 / 省エネルギー / エネルギー効率化 |
Outline of Annual Research Achievements |
『スイッチングアシスト回路』の具体的な回路構成と実装方法について検討し,プロトタイプの基本的な回路動作や運転特性の検証を行った。 まず,『スイッチングアシスト回路』を適用する電力変換器を降圧チョッパ,電力双方向昇降圧チョッパ,インバータと定め,それらへ2通りの『スイッチングアシスト回路』を組み込んでプロトタイプを試作した。一つは負荷短絡形(リアクトル短絡形)であり,もう一つはドライブ回路付加形である。前者は電力変換器の負荷あるいは平滑リアクトル,昇圧リアクトルをバイパスして,直流電圧源とスイッチング素子の寄生出力容量を直接接続する経路を双方向スイッチなどを用いて形成することにより,高速な寄生出力容量の充放電を行う方式である。これにより,寄生出力容量に蓄積される電界エネルギーを直流電圧源に回収することができたり,負荷へ転送することができるため総合的な効率が改善する。一方,ドライブ回路付加形は主回路の改造を伴わず,スイッチング素子のゲートドライブ回路電源を利用してスイッチング素子の寄生出力容量を高速に充電する方式である。これにより,相補的スイッチングに伴って直流電圧源から寄生出力容量へ突入する短絡電流を抑制することができるため,変換効率が向上する。 負荷短絡形(リアクトル短絡形)プロトタイプを使って実機検証を行い,電力双方向昇降圧チョッパでは2~4%の効率改善,インバータでは軽負荷時に6%の効率改善を確認できた。 一方,ドライブ回路付加形プロトタイプも試作を開始し,最適な回路パラメータについて理論検討を行うとともに,実機を使用して設計した回路パラメータの妥当性について検証を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
スイッチングアシスト回路のうち負荷短絡形(リアクトル短絡形),ドライブ回路付加形の双方で2~6%の効率改善を確認することができたので,当初示した研究計画・方法の通りに進捗しており,おおむね順調に進展していると評することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画当初に示した平成30年度の研究計画・方法の通り,基本回路をもとにプロトタイプの完成度を高め,さらに,前年度までに蓄積してきた知見をもとに,そこから派生する各種新規スイッチングアシスト回路について比較検討を行うとともに,次世代半導体素子への適用などの発展的な研究を行う。これらの研究活動を通じて,スイッチングアシスト回路の適用効果を波形改善や効率改善などの観点から定量的に明らかにするとともに,逆に高周波パルス幅変調を行った場合などの適用限界についても明らかにする。
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Research Products
(20 results)