2016 Fiscal Year Annual Research Report
次世代積層LSIを志向した誘導自己組織化配線の形成とメカニズム解析
Project/Area Number |
16H04323
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 誉史 東北大学, 工学研究科, 准教授 (10374969)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 俊幸 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (30313472)
ベ ジチョル 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 助教 (40509874)
橋本 宏之 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 産学官連携研究員 (80589432)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ナノ相分離 |
Outline of Annual Research Achievements |
熱硬化性樹脂と金属ナノ粒子からなる複合材料の相分離を用いて三次元積層型集積回路の基盤配線となる微細なシリコン貫通配線、およびマイクロバンプ電極を形成する過程を解析し、メカニズムを分析するための基礎検討を実施した。まず、直径2μm、深さ10μmのSi深穴(側壁はSiO2膜で被覆)の中で樹脂のナノ相分離過程を追跡し、高分子が高いアスペクト比の微細孔の中で振る舞う挙動を界面科学と化学構造の観点から考察した。親水性の官能基を有する成分がSiO2に沿って強く配向し、一方、疎水性の官能基を有する成分は側壁の形状に追従しないことが分かった。親水性、および疎水性の官能基を有する樹脂は、その組成比を制御することでシリコンの深穴の中でも側壁に追従してラメラ、もしくはシリンダーのナノ相分離構造を示した。ピッチは20nmから100nmまで、分子量やホモポリマーの導入によって制御できることが分かった。分子量が10万を超える樹脂からはピッチが100nmに迫るナノ相分離構造を得ることができた。また、ガラス転移点以上の温度であれば低温でも相分離現象が進行することも判明した。側壁の粗さに対するナノ相分離構造の成長方向やピッチを評価したところ、ナノ相分離のピッチに対して、表面粗さが十分に小さい領域では、ほとんど影響ないことが分かった。金属ナノ粒子に関しては、樹脂と酸塩基相互作用や強い静電的な相互作用を付与することが均一に分散させるには必要であることが分かった。溶剤にその効果を付与させることも可能であった。しかしながら、過剰な熱処理は金属粒子の凝集を招くことになるため、今後は、金属ナノ粒子と樹脂のインターラクションの制御に重点的に取り組みたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
100nm以下の超微細なガイド間に囲まれた領域だけではなく、数μmオーダーの比較的大きな立体構造の中でも、誘導自己組織化は機能することが分かり、その名の相分離構造の制御についてパラメーターを抽出することに成功している。金属ナノ粒子を分散させる技術に関しては、まだ配線として機能させるレベルには到達していないが、均一に分散させるためのパラメーターを理解することができ、ピッチ20-100nm程度の金属連続構造を形成できる確証をえることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、樹脂の構造や金属の表面処理等を最適化して、微細な立体配線を得ることに努めたい。特に金属の種類を限定し、その表面に低分子成分を修飾、あるいは高分子成分を修飾して、樹脂とのインターラクションを図る。低分子修飾剤に関しては、分解開始温度と溶解パラメーターに着目する。高分子修飾剤に関しては、樹脂の骨格と銅一成分を採用する。また、金属塩の利用も検討し、樹脂中に導入する骨格と強い相互作用を形成させ、樹脂の配向とともに金属の配向を狙う。
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