2017 Fiscal Year Annual Research Report
Development of high-gain, polarization-insensitive closely-stacked quantum dot optical amplifiers
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16H04331
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
喜多 隆 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10221186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海津 利行 神戸大学, 研究基盤センター, 助教 (00425571)
原田 幸弘 神戸大学, 工学研究科, 助教 (10554355)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 薄膜・量子構造 / 量子ドット / 光アンプ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光情報通信に利用可能な光周波数資源を大幅に拡大し、効率的に利用するためには未開拓の1.0~1.3μm帯で動作し、かつ入力光信号の偏波に依存しない半導体光アンプ(SOA)を開発している。縦/横偏波間の増幅率差の課題克服はSOA実用化のカギを握っており、独自のInAs/GaAs量子ドット多層積層によってTM利得を増強して偏波無依存を実現を目的にしている。平成28年度は結晶成長温度の精密な制御に基づいて量子ドットの発光波長を1.0~1.3μmの範囲で制御することに成功し、量子ドットの多層積層によりTM偏光特性の増強を実現した。これら成果をもとにして、平成29年度は量子ドット多層積層技術の構築、不純物ドープによる発光特性の制御、クラッド構造を有するデバイス構造の設計・試作・評価を行った。具体的には以下のとおりである。 〇成長温度の精密制御によってInAs/GaAs量子ドットの発光波長を1.0~1.3μm帯で制御することが平成28年度に可能となった。平成29年度はこれら広帯域発光する量子ドットを多層積層することによって偏波無依存を実現する技術を構築した。 〇Siや窒素などをドープすることによって量子ドットの成長を制御して応答波長領域の拡大と発光強度増強を実現した。 〇 対称平板光導波路モデルを使って光導波路特性のシミュレーションを実施して、デバイス構造(デバイス長、メサ幅)によるモード特性、導波路偏波特性の変化を明らかにした。また、これら設計に基づいてAlGaAsクラッド層で積層量子ドット活性層挟み込んだp-i-n構造からなるSOA素子を試作し、その基礎特性を評価した。次年度はデバイス構造の最適化と特性の精密評価を実施することによって目的を達成する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は多波長で応答する偏波無依存の量子ドットを世界で初めて実現することができた。またこれらを内包する光アンプデバイスを試作するまでに至った。デバイス試作では、まだまだ最適化の余地があり、目的を達成するために必要なプロセスの最適化についても目途をつけることができ、順調に研究が進んでいる。次年度最終年度では当初の目的が達成できる見込みである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の予定どうり、量子ドット光アンプデバイスを試作して、偏波制御や利得などのデバイス特性を明らかにする。
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Research Products
(13 results)