2017 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバ通信の限界を打ち破るマルチコアマルチモードフォトニクス
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16H04340
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
齊藤 晋聖 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (20333627)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 光デバイス・光回路 / 光ファイバ / 空間分割多重 |
Outline of Annual Research Achievements |
光ファイバ1本当たりのコアが一つだけの従来のシングルコア単一モード光ファイバでは、耐非線形性、耐フューズ性、および伝送帯域の制限から、近い将来に伝送容量の限界に突き当たることが予想されている。本研究では、光ファイバ通信の限界を打ち破る方法として、1本の光ファイバに多数のコアを収容したマルチコアファイバ技術と、一つのコアの中を伝搬する複数の固有モードを利用したマルチモード伝送技術を組み合わせることにより、伝送容量の飛躍的な拡大を可能にする空間分割多重伝送技術を確立することを目的として研究を進めた。平成29年度の研究では、マルチコアマルチモードファイバに関して、非結合型6LPモード(10モード)マルチコアファイバの設計を行い、マルチコアファイバのコア数とコア配置依存性を詳細に調査した。その結果、同種6LPモード12コアファイバにより、従来のシングルコア単一モード光ファイバと比較した相対コア多重度指数として90以上が実現可能であることを明らかにした。また、群遅延広がりを低減可能な結合型マルチコアファイバに関して、強結合状態となるか弱結合状態となるかはコア間隔だけではなくファイバの曲げ半径にも依存しており、伝送路の曲げ状態を考慮して構造設計する必要があることを明らかにした。さらに、マルチコア・マルチモード伝送を実現するためのモード制御技術に関して、広帯域で波長分割多重とモード分割多重を併用可能なマッハ・ツェンダー型モード合分波器の構成法を提案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マルチコアマルチモードファイバによる伝送容量の飛躍的な拡大へ向けて、当初の計画通りに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
モード多重伝送用結合型マルチコアファイバを対象として、コア数、モード数の拡大、コア密度の向上法について、ファイバの断面構造設計を中心に、実効屈折率、モード間群遅延差、コア間結合係数の観点から詳細に検討し、モード間群遅延時間差の低減に関する設計指針を明らかにする。特に、各コアが複数の伝搬モードを有する結合型マルチコアマルチモードファイバにおけるモード間群遅延時間差の低減を目指す。また、マルチコア・マルチモード伝送を実現するためのモード制御技術に関して、平面光導波路型モード依存特性低減デバイスの構成法を検討する。
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Research Products
(20 results)