2017 Fiscal Year Annual Research Report
Universal gate stack for 2D layered channel
Project/Area Number |
16H04343
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長汐 晃輔 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (20373441)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | ゲート絶縁膜 / トランジスタ |
Outline of Annual Research Achievements |
二次元層状材料は,グラフェンと異なりギャップ(EG)を有することでデバイス応用・基礎物性の両面から研究が進められているが,ゲート絶縁膜堆積技術が確立していない.これは,面内で結合の閉じた化学的不活性な二次元材料表面での化学吸着の困難さ故,緻密な膜形成が難しくHigh-k本来の誘電率が得られないためである.そこで,低エネルギー堆積手法である熱蒸着によるHigh-k堆積を達成するため酸素分離型蒸着装置を設計した.加熱セル領域とメインチャンバー間にφ=5 mmのアパチャーを導入し独立排気することで,希土類金属用セルは高真空に保ち,メインチャンバーの酸素分圧を独立して制御可能である.ここでは,様々な酸素分圧において0.3Å/s程度の低速で堆積し,2次元層状チャネル上へのゲートスタック堆積を検討した.Alと同程度の高い蒸気圧を有し,高融点,かつ高誘電率のErを蒸着元素として採用した.酸素分離型原子蒸着装置のチャンバー内酸素分圧が10-2 Pa時において,加熱セル領域を10-5Paに維持でき3桁の差圧を確認した. 酸素分圧10-2 Paで製膜したEr2O3における1/Cプロットから求めた比誘電率は13程度であり,既報のスパッタ堆積膜と同等の値を得た.10-3 ~ 10-1 Paの異なる酸素分圧条件でのEr2O3の絶縁破壊電界と比誘電率は,全ての酸素分圧条件で誘電率は同程度であるが,10-1 Paで絶縁破壊電界の低下が確認された.5 nm/s程度の高レートで堆積したY2O3の絶縁破壊電界の圧力依存性と比べると,最適条件は低酸素分圧側にシフトしていることが分かる.これは本実験で酸素分離型蒸着装置を用いることで堆積レートを0.3Å/s程度に抑えることに成功したため,10-3Pa以下でも高い特性が得られ成膜に適したウィンドウが広がっていると推測される.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
堆積装置の立ち上げは順調に進展した.本研究を遂行するために,(i)Si基板上での予備実験から(ii)グラフェン上へのデバイス実験に移行する予定を立てていた.今年度で,(i)Si基板上での予備実験を終えることができ,次のステップに進めているため順調に進展していると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
来季は,(ii)グラフェン上へのデバイス実験に移行する予定である.デバイス面積が限られるため,評価手法がIV,CV測定になってしまうが,現状として良好な特性が得られることが予想される.そこで,グラフェン上のデバイスにおいて,詳細な解析により過去の異なる絶縁膜堆積手法との違いを明確にする.
|
Research Products
(15 results)