2016 Fiscal Year Annual Research Report
横波超音波の固有振動数変動による抗原抗体反応の高感度質量計測
Project/Area Number |
16H04356
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柳谷 隆彦 早稲田大学, 理工学術院, 准教授 (10450652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高柳 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00735326)
吉田 憲司 千葉大学, フロンティア医工学センター, 助教 (10572985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 圧電薄膜 / 横波共振子 / 液体中センサ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、液体中で分子間の相互作用を検出できる高感度センサの実現を目指すものである。このセンサでは質量負荷を薄膜の固有振動変動から検出する。具体的には液体中においても持続的に共振することのできる、独自の横波薄膜共振子の固有振動数変動を用いて、分子間相互作用を検出する。 計画通り、成膜装置に回転機構を導入し、成膜ビームを基板面に対して斜めに照射できる成膜構成を構築した。これにより窒化アルミニウム薄膜の配向制御を行える実験環境が整備された。この技術により液体中で動作可能な横波を励振する薄膜を簡便に成長させることができる。 さらに成膜条件や基板配置、ターゲット温度、スパッタ装置の磁場の最適化を行った。その結果、純横波を励振する共振子の作製に成功した。結晶の配向方向は通常の紛体X線回折法では評価できないため、あらたに極点X線回折法を立ち上げ、極点図測定により、面内方向と面外方向の結晶配向性を定量的に評価できるようにした。 次に得られた薄膜の電気エネルギーから横波エネルギー(機械エネルギー)の変換効率の目安となる電気機械結合係数k15の評価が必要となる。通常は、基板エッチングし薄膜自立構造を作製したうえで、共振ー反共振法によりk15の評価を行うが、本研究では、基板に石英ガラスを用いているため、この方法は使えない。そこで、本研究では独自の基板付き共振子(HBAR)を用いたk15の評価方法を用いて、ネットワークアナライザを用いて、試作した共振子のk15を決定した。さらに計画通り、純横波の励振もネットワークアナライザのタイムドメイン機能を用いて、共振子のS11パラメータを逆フーリエ変換することにより、確認した。また液体中の励振についても観測に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
巨大圧電性を持つScAlN薄膜を用いて、実際に横波共振子の試作に成功している。さらに液体中動作についても観測に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、計画どおり粘性液体を用いた横波薄膜共振子の感度評価、極性反転構造の作製を行い、高感度センサの実現を目指していく。
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Research Products
(33 results)