2017 Fiscal Year Annual Research Report
5G移動通信方式における超高効率無線アクセス・無線バックホール技術の高度化の研究
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16H04368
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
佐和橋 衛 東京都市大学, 知識工学部, 教授 (50449287)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 移動通信 / マルチアクセス / セルID検出 / ヘテロジーニアスネットワーク / マルチビーム送信 / 無線バックホール / 超多値変調 / LOS-MIMO |
Outline of Annual Research Achievements |
1.高効率マルチアクセス:Non-binaryのQAMへの拡張性を考慮した場合のFaster-than-Nyquist (FTN)信号の生成法を検討した.複数のIFFTを用いる生成法を用いた場合の目標の平均ブロック誤り率を満たす所要平均受信SNR特性からFTNを用いることによる周波数利用効率の改善効果を示した. 2.ヘテロジーニアスネットワークにおける高速セルサーチ:(1) LTEヘテロジーニアスネットワークにおける小セルに対して最尤検出に基づく周波数オフセット推定を行う初期セルサーチ法を提案し,高速初期セルサーチ時間特性を示した.(2)Narrowband (NB)-IoTにおけるセルID検出確率に対する時間ダイバーシチ及び送信/受信アンテナダイバーシチの総合的な効果を計算機シミュレーションにより評価した.計算機シミュレーションより,Precoding vector switching (PVS)送信ダイバーシチは,高いセルID検出確率を実現するために必要な時間ダイバーシチの第1同期信号(NPSS)及び第2同期信号(NSSS)系列の相関の平均化時間の短縮に有効であることを示した.(3)複数のリソースブロックにNB-IoTを展開した場合のNPSS及びNSSSに対するユーザ端末の周波数ホッピング(FH: Frequency Hopping)受信を提案した.計算機シミュレーションにより,FH受信を適用することによる周波数ダイバーシチ効果は,特に,NPSSの検出確率の向上に有効であることを示した. 3.無線バックホールにおける高効率超多値変調方式:(1)位相雑音に対して耐性のあるパーシャルチャネル符号化を用いる超多値Circular QAMの設計法を提案した.設計法に基づいてCircular 1024QAM, Circular 2048QAM,及びCircular 4096QAMの信号空間配置を提案した.(2)提案したCircular QAM信号空間配置は,ピーク電力対平均電力比(PAPR)低減の観点からもRectangular QAMに比較して有効であることを示した.(3)LOS-MIMOにおける周波数領域等化を用いる計算機シミュレーション系を製作した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多値変調におけるFaster-than-Nyquist (FTN)信号生成法の検討を行い,ターボソフト干渉キャンセラを用いた場合のブロック誤り率の評価を行った.FTNを用いたときのシンボルの多重密度が高い場合におけるターボソフト干渉キャンセラの課題を抽出した.LTEヘテロジーニアスネットワーク,及びNB-IoTにおける高いセルID検出確率を実現する高速セルサーチ法を検討し,計算機シミュレーションにより,高速セルID検出時間特性を示した.無線バックホールの検討では,位相雑音に対する耐性の高い多値変調方式の設計法を明らかにし,最適な信号空間配置を提案した.LOS-MIMOの誤り率特性を評価するための計算機シミュレーションプログラムを作製した.
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Strategy for Future Research Activity |
Faster-than-Nyquist (FTN)を用いるシンボルの高密度多重したときの,ブロック誤り率,スループットを改善する等化器,干渉キャンセラ構成の検討を行う.また,256QAMまで採用されている4G移動通信方式,及び5G方式へのFTNの適用効果を明らかにする.マルチビームを用いた場合の高速・高精度セルIDの検出法を確立する.また,ヘテロジーニアスネットワークの各種シナリオにおける待ち受け時セルサーチ時間特性を明らかにする.無線バックホールの検討では,LOS-MIMOにおける低演算量を実現する等化器,干渉キャンセラ構成の検討を行う. 全体的に,国際会議,及び国内学会で発表した内容を学術論文にまとめる.
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