2017 Fiscal Year Annual Research Report
室温動作のセンサで最高感度を有する高周波駆動薄膜磁界センサの開発と生体磁気計測
Project/Area Number |
16H04378
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Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
薮上 信 東北学院大学, 工学部, 教授 (00302232)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 磁界センサ / 生体磁気計測 / 磁性薄膜 / 高周波駆動 / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)センサ素子の開発:バイアス電流印加用の導体薄膜(Cu薄膜)と磁性薄膜(CoNbZr薄膜)をキーとするセンサ素子を一体的に成膜し、微弱バイアス電流通電用のセンサ素子を開発し、一様磁界を与えるセンサ素子と比較しておおむね70~80%の感度を得た。これによりバイアス磁界印加に伴う1/fノイズ増大を抑制可能な見通しを得た。また永久磁石薄膜によるバイアス磁界印加機構についても設計及び成膜を実施した。 (2)ディテクタ等の高精度化:DMTD回路のアンプ、コンパレータ等を低ノイズ、低温度係数、最高速の部品に改良した。同期検波およびダウンコンバータにより振幅、位相の同時計測回路を開発した。センサ素子からの信号取り出しをワイヤボンディングで行っておりセンサの周波数特性を悪化することが判明したため、インピーダンスを整合したフリップチップボンディングによるセンサモジュールを開発した。フリップチップボンディングによるセンサモジュールの感度はセンサ素子単独に対して、80~90%程度維持できていることを確認した。 (3)高速ADコンバータおよびFPGAによる処理回路:高速ADコンバータとFPGA(Field-Programmable Gate Array)を用いてキャリアの位相差を検出する処理回路を開発した。開発した処理回路で、アナログDMTD回路とタイムインターバルアナライザを組み合わせたシステムと同等の位相検出分解能を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
センサ素子はほぼ目標感度を得る見通しを得たが、ディテクタおよびFPGAによるデジタル回路を用いて、10^-13 T台の磁界検出分解能を達成できる見通しがたっていない。したがって、心磁界等の生体磁気計測への適用が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
・永久磁石薄膜によるバイアス印加機構は開発に時間がかかることから、バルク磁石によるバイアス印加用センサの開発を進める。 ・フリップチップボンディングにより構成したセンサモジュールとFPGAによるデジタル計測システムを組み合わせて、高SN比と心磁界計測を急ぐ。
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Research Products
(14 results)