2016 Fiscal Year Annual Research Report
ビーチロック形成機構に学ぶ新しい国土修復保全技術の開発
Project/Area Number |
16H04404
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川崎 了 北海道大学, 工学研究院, 教授 (00304022)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ビーチロック / 炭酸カルシウム / 微生物 / 国土保全 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,自然のビーチロック形成メカニズムを学ぶことで主に海岸域の微生物を利用した新しい国土修復保全に関する技術,すなわち,港湾岸壁などの海岸コンクリート構造物の修復保全および海浜堆積物の固化・安定化に関する基本技術を新たに開発することである。初年度である平成28年度に実施した内容は,(1)尿素分解菌に関する検討,(2)培養試験および強度発現メカニズムに関する検討,(3)小型円筒容器を用いた地盤の室内加速固化試験,の3項目であり,得られた主な成果の概要は,以下に示すとおりである。 (1)炭酸カルシウムの析出に適した尿素分解菌の候補を探索するため,国内外の海岸域および陸域の各地点から地盤材料を採取し,尿素分解菌の分離・単離を実施した。また,単離された多くの尿素分解菌を対象としたウレアーゼ活性試験を行い,ウレアーゼ活性が高いと判定された尿素分解菌の中から炭酸カルシウムの析出に適していると考えられる数種類の菌株を選抜した。 (2)選抜された菌株の遺伝子解析(16S rRNA遺伝子)を行い,炭酸カルシウムの析出に大きく関与している尿素分解菌のバイオセーフティレベルと能力について評価した。また,選抜された菌株を用いて異なる条件下における培養試験を行い,各菌株の最適な培養条件に関する基礎データを取得した。さらに,尿素分解菌による炭酸カルシウムの析出と地盤材料の強度発現に関するメカニズムについて考察した。 (3)最もウレアーゼ活性が高いと評価された尿素分解菌を用いて,地盤材料の室内シリンジ加速固化試験を実施した。室内加速固化試験では,効率的な炭酸カルシウムの析出による砂の固化条件について検討するため,培養液の菌数,固化溶液のカルシウムイオン濃度,試験時の温度,注入間隔などを変化させ,これらの試験条件が砂の加速固化に与える影響について針貫入試験により推定した一軸圧縮強さを用いて評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である平成28年度の研究の目的,実施計画,経費などの策定が適切であったこと,また,期待された研究成果がおおむね順調に得られたこと,さらに,研究代表者に健康上の問題発生しなかったことなどが,主な理由として考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画のとおり,平成29年度は平成28年度において実施した3つの研究項目の深化を図ると同時に,新たに(4)土槽を用いた地盤の室内加速固化試験,について研究を進める。
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[Presentation] Study of beachrocks in East Attica2016
Author(s)
A. Karkani, N. Evelpidou, H. Maroukian and S. Kawasaki
Organizer
14th International Conference of the Geological Society of Greece
Place of Presentation
Aristotle University of Thessaloniki (Thessaloniki, Greece)
Year and Date
2016-05-25 – 2016-05-25
Int'l Joint Research
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