2016 Fiscal Year Annual Research Report
二重硬化弾塑性構成式の提案とそれに基づく地盤材料力学の体系化
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16H04408
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中野 正樹 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (00252263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 崇之 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (20773592)
山田 正太郎 名古屋大学, 工学研究科, 准教授 (70346815)
野田 利弘 名古屋大学, 減災連携研究センター, 教授 (80262872)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 地盤工学 / 地盤材料力学 / 弾塑性構成式 / 材料定数 |
Outline of Annual Research Achievements |
・ 本研究課題において提案予定であったSYS Cam-clay modelと非関連DP modelが複合的な負荷状態を示す弾塑性構成式の定式化を完了させることができた.これは当初の予定通り,中間主応力を考慮することに成功した.また,新たな累積損傷指標を考案し,同構成式へ導入することで,安定的に液状化計算を実施することができるようになった.加えて,塑性変形抑制域なる新たな概念を提案することによって,液状化前の有効応力の減少過程や,片振り両振り挙動の違いなどを精緻に再現することが可能になった. ・ 砂質土に対し,複雑な載荷経路を与える実験を行った.また,その結果を再現することで,同構成式が一般的な応力状態に対し適切な応答を示すことを示した. ・ 砂質土に加え,粘性土に対する同構成式の表現能力の検証を行い,同構成式が高い表現能力を有していることを実証した.また,典型的な材料に対する同構成式の材料定数の蓄積を進めた. ・ セメント改良土の実験結果を元に,セメンテーション効果を上記の弾塑性構成式に導入した.また,実験結果との対比から,同手法の妥当性について示した. ・ 上記構成式の材料定数の決定法について検討を行った.材料定数を弾塑性パラメータと発展則パラメータに大別し,前者については実験結果ら直接決定する方法を考えた.後者については,フィッティングにより同定するための手順について検討した.また,発展則パラメータの同定に関しては,実数型遺伝的アルゴリズムを用いた最適化計算により,自動決定するための研究に着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ,当初の予定通り進捗している.
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Strategy for Future Research Activity |
・ 土質試験・材料定数データベース化:これまでに蓄積してきた材料定数に加え、新たに細粒分を含む砂などに対して室内実験を実施し、典型的な地盤材料の材料定数の蓄積を進める。 ・ 最適化計算に基づく材料定数の自動決定法の提案:前年度に引き続き、材料定数を、限界状態線や圧縮線の勾配のように、計算を実施せずに土質試験から直接的に決定することができる材料定数と、計算を実施し、試行錯誤的なフィッティングにより決定せざるを得ない材料定数の二種類に大別する。また、各材料定数が持つ物理的意味を明確化する。また、フィッティングパラメータを最適化計算に基づく手法で決定するアルゴリズムを構築する。 ・ 開発した構成式を地盤解析ツールGEOASIAへの実装:開発した構成式を地盤解析ツールGEOASIAへの実装し、Verification の一つとして、要素試験のシミュレーションを実施し、構成式の応答と比較する。また、Validation として既に実施済みの模型実験の再現を実施する。 ・ 構成式の高度化が境界値問題へ及ぼす効果の検証:構成式の高度化が境界値問題へ及ぼす効果について検証するために、既往の構成式を搭載した計算との比較を行う。 ・ 典型的な地震応答解析例作成のためのシナリオ解析:幾つかのサイトを対象に、材料定数の決定から、地震前・地震中・地震後までを一つのセットにしたシナリオ解析を実施し、地震応答解析のモデルケースを作成する。 ・ 弾塑性力学に基づく地盤材料力学の体系化:得られた材料定数の特徴を整理し、提案する構成式を通して、各種地盤材料の力学的特徴を体系的にまとめる。粘土と砂の違いのような大きな違いの他にも、統計的な解析も取り入れながら、砂質試料において細粒分が増加することによる影響などについても体系化を図る。
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Research Products
(6 results)