2016 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16H04431
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩倉 成志 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (20223373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 守 筑波大学, システム情報系, 教授 (00212043)
屋井 鉄雄 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (10182289)
井上 聰史 政策研究大学院大学, 政策研究科, その他(移行) (20625206)
森川 高行 名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (30166392)
毛利 雄一 一般財団法人計量計画研究所, その他部局等, 研究員 (60246692)
天野 光一 日本大学, 理工学部, 教授 (70193026)
田村 亨 北海商科大学, 商学部, 教授 (80163690)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | レジリエンス能力 / オーラルヒストリー / インタビュー / テキストデータ / Reaching out |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究計画は、国土計画や交通計画に関わる多くの難プロジェクトを実現に導いた8名のライフストーリーデータの作成である。 (1)ライフストーリーデータを得るための事前準備:インタビューイーの経歴や著述に関する年表を作成した。また、インタビューガイドラインを作成し、インタビュアー4名で共有した。さらに、インタビュー内容のタグづけ項目として、「直面した困難や脅威の内容」,「発揮されたレジリエンス能力要素」,「能力の獲得要因と獲得時期」,「協力者」,「困難や脅威への対応結果」,「プロジェクト遂行の成否」をベースとしたアンケート票の検討を行った。 (2)幼少期から現在までのデプスインタビューの実施:インタビューイー4名(今野修平氏7回、中村良夫氏6回、藤井治芳氏4回、森地茂氏7回)のデプスインタビュー(1回あたり概ね2~3時間)を実施した。幼少期から概ね50歳前後までのライフストーリーデータをテキストデータとして作成した。山本卓朗氏、矢島隆氏、只腰憲久氏、大塚勝美氏に関するインタビューは実施できなかったが、平成29年度に実施する。 (3)ライフストーリーテキストデータの構築:上記4名のインタビューを全てテキストデータ化することができた。上記(1)のインタビュー内容タグの妥当性を検討するために、テキストデータをもとに、アンケート調査票の改善の検討を進めた。当初はインタビュー直後にアンケートを実施する予定であったが、インタビューイーの負担が大きく、すべてのインタビュー終了後にまとめて調査を行うこととした。現状では、Empathy(共感力),Causal analysis(原因分析力),Flexible Thinking(柔軟な思考),Reaching out(働きかける能力)がレジリンス能力に影響を与えており、特にReaching outの影響が強い傾向となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究計画から遅滞している理由として、一つはインタビューイーが高齢のため、長時間のインタビューの負担が大きく、1か月に1度程度とすることが妥当であることが判明したこと、もう一つはインタビュアーの多忙さから3名の対象者のインタビューが開始できなかったこと、最後に1名は健康上の理由から当該年度の実施ができなかったことが挙げられる。 当初計画の想定に無理があったが、1か月に1度の持続的なインタビューを継続し、かつ研究代表者の他の業務を減らすことができたこと、インタビューイーの協力者の増員を検討しており、平成29年度もしくは30年度初期には計画した対象者のインタビューは実施可能であり、研究計画は回復可能と考える。ただし、1名に関しては現時点では健康上の理由からインタビューはかなり困難な状況であるが、体調の回復を待ちたい。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の研究計画は、レジリエンス能力の構成要素の解明(プロジェクトの障壁の発生局面の特定、レジリエンス能力の構成要素と外的要素の解明)とレジリエンス能力の形成過程の解明(能力形成過程の定性的分析、統計モデルによる能力形成過程の検定)である。 今年度は4名のインタビュイーのレジリエンス能力の構成要素と形成過程の解明を進めて、定性的な解析の大方の結果を得るようにする。 そして、残り3名のデブスインタビューとテキストデータ化を進めながら、その3名についても構成要素と形成過程の解明を行う。 現在は遅滞しているが、全体研究計画としての変更や問題はないと考える。
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