2017 Fiscal Year Annual Research Report
安心安全運航のための水上飛行機離発着場整備に関する研究
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16H04432
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
轟 朝幸 日本大学, 理工学部, 教授 (60262036)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 交通工学・国土計画 / 水上飛行機 / 水上空港 / 航空機運航支援 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,近い将来において普及が期待される水上飛行機(以下,水上機)の離発着場に関する運用方法の検討と支援システムの開発を行うものである.具体的には,海外での水上飛行場の実態(船舶などとの共用方法),国内の水面の利用実態と水上機の離着水可能性,さらに水上機の離発着運航を支援するシステム機器の開発(設計と試作),水上機離発着運用ルールについての検討を行い,安心安全に水上機が船舶等と共存して水域を利用できる環境整備に寄与することを目的としている.本年度は,前年度の研究成果をもとに,以下の事項について研究を行った. (1)海外の先進事例の動向調査・分析:水域利用区分および利用ルールの設定基準などについて,文献調査及び現地調査を実施した.ICAOの水上飛行場設置基準などを整理し,日本導入時の課題を整理した.またデンマーク,モルディブの先進導入国の実態を調査し,日本導入時への示唆を得た. (2)船舶等利用実態調査・分析:東京湾の漁業やレジャーボート等の小型船舶の航行実態を把握し,水上機との共同利用可能性を把握した. (3)水上機運航支援システム:水上機の運航支援システムの設計コンセプトを整理した.そのコンセプトにもとづき,開発するシステムの要求事項を整理し,設計のための要件定義を行った. (4)水上機運用ルールづくり方針:上記(1)~(3)の結果を踏まえて,我が国における水上飛行場の運用ルールづくりについての指針について検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,アメリカにおける水上機の運行実態を調査する予定であった.しかし,研究を進める中で,アメリカの運航形態はカナダなどに近いため,北米と異なる運航形態の地域を対象として調査をすべく,方針転換を行った.そこで,最近になって運航を開始したデンマークの事例,日本と同じく島嶼国であり,世界最大規模の運航を行っているモルディブを対象とすることとした.調査場所を変えたため,モルディブ調査が3月にずれ込み,その取り纏めが多少遅れているが,5月には成果報告を纏め上げる予定である.なお,アメリカの実態については,ICAOおよびFAAの報告書などから情報を整理し,当初目的に近い情報はほぼ得ている.
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,本研究課題の最終年度にあたるため,これまでの総仕上げを目指す. 海外など先進事例調査の成果はほぼ得ているが,これまでのフォローアップおよび新たな知見の蓄積を検討している.運航支援システムの開発および運用試験に関しては,研究協力者と密に連携をとり,システム開発業務を早急に委託するなど鋭意準備を早めに進める予定である.そのほかの研究内容についても,フォローアップを中心に行う. また,平成30年度後半には,以上を全体として取りまとめる作業を行い,本研究課題の総括を行う予定である.
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