2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of primary productivity in coastal waters based on biogeochemical behavior of iron
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16H04435
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 学 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 特任准教授 (30598503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 千洋 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (10402091)
伊藤 紘晃 熊本大学, くまもと水循環・減災研究教育センター, 助教 (80637182)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鉄 / フラックス / 流域土地利用 / 鉄摂取 / 沿岸域藻類 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成30年度における研究では、流域土地利用が鉄動態(フラックス等)に及ぼす影響や沿岸域植物プランクトンの鉄摂取・増殖に及ぼす影響を明らかにするとともに、前年度までにおける研究の取りまとめを行った。三陸沿岸の河川流域において、森林、耕作地、都市部などの流域土地被覆を分類し、溶存有機鉄の負荷量との関係を調べた。その結果、溶存鉄の原単位は、森林<<水田<都市部の順に大きくなり、また季節変動を示した。さらに、都市部被覆率と河川の溶存鉄濃度の間に有意な正の相関が見られたことから、河川流域から下流域への鉄輸送において人間活動の影響が示唆された。沿岸域藻類による鉄摂取に関する課題では、河川および沿岸域由来有機物に着目し、沿岸域微細藻類による鉄摂取を調べた。放射性認識した鉄を用いて培養試験を実施した結果、微細藻類(Skeletonema marinoi-dohrniiならびに志津川湾で採取した珪藻)の半飽和定数は、溶存鉄濃度で数nM程度であり、宮城県志津川湾における溶存鉄濃度はこの値を下回ることもあるため、藻類の鉄摂取は制限を受ける可能性があることが示された。さらに、河川由来溶存有機物は光化学作用により鉄摂取を促進させるものの、相対的に海域由来有機物の方が鉄摂取を促進させる働きがあることが明らかとなった。この結果は、起源を異にする有機物は、鉄摂取においても異なる影響を示すことが分かった。最後に、沿岸域での鉄の物質収支を明らかにすることを目的として、志津川湾を対象として鉄のフラックス解析を行った。その結果、河川から湾内への鉄流入フラックスは、微細藻類の鉄摂取フラックスの数~50%を占めていることと推定され、河川から流入する鉄は、湾内での一次生産に一定の寄与があることが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)