2017 Fiscal Year Annual Research Report
既存骨組への影響を考慮した耐震補強のための制震ディバイスの形状最適化
Project/Area Number |
16H04449
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大崎 純 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40176855)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 浩 広島大学, 工学研究科, 教授 (70283629)
高木 次郎 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 准教授 (90512880)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 耐震補強 / 構造最適化 / ブレース |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ブロックの形状と接合部の形状最適化: ブロックのラチス材の配置と幅を最適化するための2段階の手法を開発した。第1段階では,ラチス材の接続関係(トポロジー)を固定して節点位置を最適化するため,軸力密度法を用いる。疑似焼きなまし法を用いて,指定された層間変形角での反力が最大になるような形状を求める。第2段階では,形状を固定して,材料の体積制約の下で部材幅を最適化する。以上の2段階を繰り返すことにより,主に圧縮力で層せん断力に抵抗するラチス材の配置が得られた。 2.嵌合接合を用いた耐震ブロック壁の最適化: 平面充填図形を嵌合で接合して耐震ブロック壁を最適化する手法を提案した。空間充填図形は,四面体の展開図から生成する。図形の幾何学的パラメータを変数として,指定された層間変形角での反力が最大になるような形状を求めた。 3.耐震補強ブロックの模型による検証実験: 最適化されたブロック壁の性能試験のための準備として,4枚のブロックからなる基準モデルの強制変位試験を行った。材料はVeroGrayであり,3Dプリンタを用いて試験体を製作した。既存骨組の梁と柱は鋼材である。ブロック間は接着し,ブロックと梁柱の間は接触接合とした。実験の結果,使用材料は十分な強度を持つことがわかり,次年度実施予定の最適化モデルの載荷実験でも,VeroGrayを用いることとした。 4.既存骨組への影響を低減するようなブレースの設計と実験による検証: ブレースと梁柱の間に強固な接合が不要となる圧縮のみに抵抗するブレースの端部補強およびウェブの耐力評価について検討し、載荷実験を通じて端部補強効果とウェブ耐力の評価精度を検証した。また,曲げ変形によって水平剛性と耐力を調節可能なブレースの断面形状や接合部詳細を検討し,繰り返し軸方向力に対する履歴性能を実験的に検証した。さらに,有限要素法による数値解析で挙動を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ブロック壁の最適化手法を開発し,模型実験を行うことができた。ただし,最適化されたモデルの載荷実験は,次年度に行うこととした。
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Strategy for Future Research Activity |
最適化手法については,連続体モデルによる新たな方法を検討する。その結果と,今年度に開発した手法を比較し,いずれかを用いて実験モデルを作成する。 秋ごろに実験を行い,結果を吟味して論文を執筆する。
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Research Products
(8 results)