2016 Fiscal Year Annual Research Report
耐風設計の合理化に向けた空力データベース再構築とWEBベース設計支援ツールの開発
Project/Area Number |
16H04457
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
吉田 昭仁 東京工芸大学, 工学部, 教授 (90329219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金 容徹 東京工芸大学, 工学部, 准教授 (30572416)
松井 正宏 東京工芸大学, 工学部, 教授 (60350576)
田村 幸雄 東京工芸大学, 工学部, 名誉教授 (70163699)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 耐風設計 / 空力データベース |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は建築物の合理的な耐風設計をWEB上で実施可能な耐風設計支援システムを開発することである。初年度となる平成28年度は下記の4項目について研究を実施した。 1. 空力データベース公開システムの基盤構築: 現有する空力データベースは公開後10年近く経過しており,種々の不具合が発生している。実験終了後にデータの質を確認して,なるべく早い段階で公開が可能な新しい空力データベース公開システムの基盤構築を行った。イタリアのBologna大学の研究員であり,Aero Viewerという独自の風洞実験データ公開ソフトを作成しているLuca Patruno氏を招聘し,操作性,機能性に優れた公開システム構築について議論を行い,基本設計を行った。 2. 国内外の規基準類の類型化と設計フローの整理: 本研究の目的の一つであるWEBベース設計支援ツールを開発するために,国内外で定められている風荷重に関する種々の規基準類を調査・分析し,設計の考え方や方針等の類型化を試みた。 3. 現有する空力データベースの改良・増強: これまで旧システムで公開している空力データベースに対して寄せられた国内外からの質問をもとに,公開中の空力データベースの改良を行った。また,空力データベースを増強するために,基本体形状の風力模型を6体作成し風力実験を実施した。 4. WEBベース耐風設計支援システムの基本設計の検討: 再構築された種々の空力データベースと将来的に増強される空力データベースを用いて,インターネット上で風荷重および種々の荷重効果の算定を可能とする耐風設計支援ツールの基本設計を行った。初年度は日本建築学会の建築物荷重指針・同解説の2004年版に基づいた風荷重算定をWEB上で行うことできるシステムの構築を業務委託してWEBサーバで公開した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画では6項目を実施する予定であったが,下記の項目を実施することができなかった。 1.低層建築物の風力特性の把握と風荷重の組合せの検討 2.構造骨組用風荷重評価ツールの開発 しかしながら,項目1については低層建築物のみでなく,中高層建築物も含めた風力実験を行っており,より発展的な方向に研究を進めており,特段進捗状況の遅れとは考えていない。また,項目2についてはAero Viewerに同様の機能を持たせることが可能であると判断できたため,実施項目から省いた経緯もあり,こちらも進捗状況の遅れとは考えていない。よって,現在までのところは概ね計画通りの進捗状況であると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の進捗方法については,当初の計画通りで考えている。平成29年度は5項目,30,31年度はそれぞれ4項目実施する計画であり,最終年度に新空力データベースの公開を目指して研究を実施する。公開システムの構築には専門業者への業務委託が必要不可欠となるため,連携しながら進捗する予定である。なお,具体的なシステム設計を行った際に見積り額が高くなることが考えられるが,その場合は風洞実験模型等の消耗品を減らすなどして対処する。
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