2017 Fiscal Year Annual Research Report
Organization of adaptive urban design guidelines for climate change through expert collaborative workshops
Project/Area Number |
16H04464
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
竹林 英樹 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (80304129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 貴宏 広島大学, 工学研究科, 教授 (30379490)
森山 正和 摂南大学, 理工学部, 教授 (70047405)
渡辺 浩文 東北工業大学, 工学部, 教授 (60247236)
宮崎 ひろ志 関西大学, 環境都市工学部, 講師 (50254462)
橘高 康介 神戸大学, 工学研究科, 教室系技術職員 (90772640)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 適応都市 / ガイドライン / 暑さ対策 / ワークショップ / 土地利用 |
Outline of Annual Research Achievements |
ドイツと日本の代表的な都市における将来気候の予測結果に基づいて都市環境気候図を作成し,都市計画実務者と気候専門家による専門家協働ワークショップを通して,適応都市の具体像を描くことが目的である.具体的には,都市環境気候図の作成,専門家協働ワークショップの実施,適応都市設計ガイドラインの作成を実践する.昨年度に引き続き,広島,仙台,大阪,エッセン,ベルリン,カールスルーエを対象とした都市環境気候図の作成方法を,都市スケールと街区スケールに分けて検討した.都市スケールの検討では,田中が中国地方主要都市を対象として,土地利用シナリオに基づく将来気候の予測を行った.竹林はWRFによりエッセン,ベルリン,カールスルーエの気温,風の分布を計算し,郊外からの風の影響を受けた気温分布の特徴が,海風の影響を受けた日本の都市と比較して分析された.街区スケールの検討では,竹林はベルリンの典型的な街区を対象として,道路幅,方位,建物高さなどと風通しの関係を分析し,建物高さのばらつきが大きい大阪での検討結果と比較して,建物高さが街路空間の風通しに及ぼす影響を分析した.橘高は,大阪,広島,仙台の典型的な街区を対象として日射受熱量,風通しの観点からヒートアイランド対策が優先されるホットスポットを抽出した.森山は寝屋川市内の典型的な街区を対象として,気候分析の結果に基づきヒートアイランド適応策の提案を行った.3月にドイツよりバウミュラー教授,クトラー教授を招聘し,今年度の検討結果を紹介して意見交換を行った.日本とドイツの諸都市における気温,風分布の特徴の分析結果を踏まえ,ドイツにおけるワークショップ開催の可能性が議論された.また,渡辺は仙台においてバウミュラー教授の講演会を開催し,自治体職員と気候変動適応策としてグリーン・インフラストラクチャーを整備する方策について具体的な議論が行われた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究における具体的な検討項目は,都市環境気候図の作成,専門家協働ワークショップの実施,適応都市設計ガイドラインの作成である.現在まで,都市環境気候図の作成方法を,広島,仙台,大阪,エッセン,ベルリン,カールスルーエを対象として検討した.都市スケールの検討では,土地利用シナリオに基づく将来気候の予測,WRFによる気温,風の分布の計算結果に基づく,エッセン,ベルリン,カールスルーエの都市環境気候図の考察を実施した.街区スケールの検討では,建物高さのばらつきが異なる大阪とベルリンでの街路空間内の風通しの比較,日射受熱量,風通しの観点に基づくヒートアイランド対策が優先されるホットスポットの抽出,気候分析の結果に基づくヒートアイランド適応策の提案を実施した.併せて,3月にドイツよりバウミュラー教授,クトラー教授を招聘し,今年度の検討結果を紹介して意見交換を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
広島,仙台,大阪,及び,エッセン,ベルリン,カールスルーエを対象として実施した都市環境気候図の作成方法の検討結果に基づいて,都市環境気候図の作成を行う.3月に実施したバウミュラー教授,クトラー教授との意見交換に基づき,エッセン,ベルリン,カールスルーエの解析結果の更新,分析を進める.9月にエッセン,ベルリン,カールスルーエでワークショップを予定しており,内容の調整,ドイツ側への提示,具体的なスケジュールの調整を進める.ワークショップでの議論を通して,適材適所の暑さ対策技術の導入方針を検討し,適応都市設計ガイドラインの作成を進める.
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