2016 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive Studies on Transition of Urban Villages and their Improvement Strategies
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16H04480
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
布野 修司 日本大学, 生産工学部, 特任教授 (50107538)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アーバン・ヴィレッジ / カンポン / 住居類型 / ショップハウス / 都市組織 / コミュニティ / メガ・シティ / アジア |
Outline of Annual Research Achievements |
第一のターゲットとするスラバヤについては、2016年7月23日~8月6日、臨地調査を行った。本研究の基本的方法であるが、過去(1983年、2006年)に調査行った3つのカンポン(サワ・プロ、サワハン、ドノレジョ)について、全く同じフォーマットを用いて調査を行った。この間のカンポンの変容を明らかにするデータをほぼ得ることができたと考えている。また,カンポン・インプルーブメント・プログラム以降の居住環境整備の手法として、5つの立地を設定、それぞれエコハウス・モデルの設計を行った。 インド圏については、予定通り、ジャイプルについて、2016年8月29日~9月10日、詳細調査を行った。ジャイプルもまた、過去に調査対象とした地区をターゲットとしたが、バディ・チョウパル地区に絞った。また、コルカタのチョウリンギー地区、ヴァーラナシについて予備調査を行った。メガ・シティとして対象となるのは,デリー,コルカタ,ムンバイ,チェンナイであるが,ジャイプルを優先することとした。マドゥライ,アフマダーバードも合わせて、次年度以降の作業となる。 一方、当初必ずしも予定としてはなかったが、機会を得て、カイロについて調査することとした(2017年2月23日~3月6日)。世界遺産に登録されている歴史的カイロのうちスーク・アル・シラーフを中心とするハーラ(住区)の詳細調査である。ハーラは、それぞれモスク、サビル=クッタブ(水場+クルアーン学校)、ハンマーム(浴場)などのコミュニティ施設を本来もっている。インドネシアのカンポンとの比較は極めて興味深い。今後調査環境が悪化することも考えられるが、現地研究者と緊密な関係を構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定は、「スラバヤを中心にインドネシアのカンポンの間の変容,また,カンポン・インプルーブメント・プログラム以降の居住環境整備の手法の変遷をまとめる作業を並行して行いながら,インド圏をまずターゲットしたい」ということであったが、スラバヤについては、予定通り調査を行うことができた。また、インドについてはジャイプルについて予定通り調査を行うことができた。メガ・シティとしてコルカタのチョウリンギー地区を調査したかったが、本格的調査に至らなかった。ただその変わり、カイロについて調査が可能となり、予備調査を行うことができた。以上のように、ほぼ予定通りで、順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通りであるが、最終的なまとめについては、カイロ調査の進展次第によって、スラバヤとカイロの比較を大きな軸にすることを考えたい。その場合、その他の国については、居住環境整備の手法について比較することを主眼とし、総合的にまとめたい。 いずれにせよ、29年度については、予定通り、中国圏域の都市、東南アジアのインドネシア以外の国について調査を行いたい。
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