2017 Fiscal Year Annual Research Report
Modernization of Daimyo Garden
Project/Area Number |
16H04484
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
小野 芳朗 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 教授 (50152541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 節子 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (20295710)
三宅 拓也 京都工芸繊維大学, デザイン・建築学系, 助教 (40721361)
本康 宏史 金沢星稜大学, 経済学部, 教授 (80711374)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大名庭園 |
Outline of Annual Research Achievements |
風景の近代化とは何にか。それを大名庭園の近代化を比較実証することで定式化し、景観顕彰システムの確立に必要な学術的知見を得る。大名庭園は近世に各地方の大名の「好み」で構成されるが、近代になると大名は庭園から姿を消し、学識経験者による「価値づけ」により、結果的に文化財、名勝として保存されていく。こうした近代の景観顕彰の定式化が実際の風景にどのような変化と差異を及ぼしているのか、が本研究の資格的な課題である。
平成29年度は次年度の最終的な成果物、大名庭園の近代図説、の刊行に向けて、各大名庭園、岡山後楽園、金沢兼六園、水戸偕楽園、高松栗林公園、彦根玄宮園においてロケハンを行った。 その際の共通事項として、1.各庭園のオーセンティックな場面を撮る。これは従来の大名庭園像を改めて確認することである。2.近代的な景観を撮る。これは各大名庭園ごとに近代の歴史によりかなり異なった景観となる。3.絵葉書等で映された景観と同じ場面を撮る。これは明治大正昭和と変化してきた場面を撮ることで、近代的な変容を追跡できると考えたからである。 一方で、各庭園の図面、絵、写真、地図などの収集を各分担者ごとに行った。これらをもとに最終年度早々に図説の仮編集を行い、刊行の可能性を議論していく。なお、出版社とも交渉を始めており、編集業務に出版社、カメラマンともども参加し、成果物の作成に具体性を持たせていく。 29年度はこのようにそれぞれの庭園での取材が中心であったが、研究チームでは揃って本研究では取り上げない江戸の大名庭園である、小石川後楽園と六義園を視察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
すでに成果物刊行のための出版社交渉、撮影ロケハンも実行した。
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Strategy for Future Research Activity |
30年6月30日に今年度の研究会を開催し、その場で、カメラマン、出版社も参画し、各庭園仮編集の冊子を調整し、本撮影と実施に向けて議論する予定である。あとは、本撮影と編集作業に移ることになる。
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Research Products
(1 results)
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[Book] 大名庭園の近代2018
Author(s)
小野芳朗、本康宏史、三宅拓也
Total Pages
451
Publisher
思文閣出版
ISBN
978-4-7842-1909-4