2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of SBW Fluorescence Nanothermometry Platform by Using Ceramic Nanoparticles
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16H04499
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
曽我 公平 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 教授 (50272399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 秀夫 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究領域, チームリーダー (00261206)
岸本 英博 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80251213)
上村 真生 東京理科大学, 基礎工学部材料工学科, 助教 (80706888)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イメージング / ナノ粒子 / 近赤外 / 蛍光 / 温度計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
「第2の生体の窓(SBW)」と呼ばれる1000~1700nmの波長域は、蛍光バイオイメージングにおいて従来の波長域に比べ約10倍の数cmにおよぶ観察深度を達成可能なことから近年にわかに注目を浴びている。また、蛍光強度比を用いたナノ温度イメージングは、プローブ濃度の影響を受けず、高解像度で三次元の温度の可視化方法として注目を集める温度の可視化手法である。本研究では萌芽研究で確かな感触を得たセラミックスナノ粒子を用いたSBWにおけるナノ温度イメージングを、実用的かつ革新的な科学技術研究手法として材料とシステムの双方からその基盤を確立することを目的として研究を進めている。 平成28年度は、① 種々の溶媒における検量線の作成とバイオイメージングの実施、② フッ化物シェル層形成による溶媒原子振動効果の遮蔽、③ ポリマー疎水層形成による溶媒原子振動効果の遮蔽の各課題について、①PEG修飾βNaYF4 (PEG-NaYF4)ナノ粒子を用いて、種々の溶媒中における温度測定の検量線の作成を行い、特にイオン強度やpHに検量線の傾きが異なることを明らかにした。②βNaYF4ナノ粒子の表面にフッ化物シェル層を形成する手法を確立した。③βNaYF4ナノ粒子のアップコンバージョン発光を用いて、ナノ粒子表面上にポリスチレン(PSt)を重合し、厚さ10 nm程度のPSt疎水層を形成する手法を確立した。さらに異なる方法として、表面開始原子移動ラジカル重合(ATRP)法を用いてβNaYF4ナノ粒子の表面上にポリマー疎水層を形成することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概略に述べた通り研究計画通り順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度研究においては、ナノ粒子の分散媒の疎水性、水溶液においては塩濃度やpHによって温度計測の検量線が異なることがわかった。平成29年度研究においてはこれらの変化に対して、平成28年度に確立した遮蔽層形成を行った場合の効果について検証するとともに、in vivo, in vitroにおいて温度イメージングを実施する。
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