2016 Fiscal Year Annual Research Report
次世代酸化物半導体デバイス低温大面積形成のためのプラズマ反応性高度制御法の創成
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16H04509
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80236108)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | プラズマ加工 / 反応性プラズマ / 酸化物半導体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、酸化物半導体薄膜形成プロセスにおける反応過程の解明を通じて、プラズマ反応性の高度制御により、デバイス形成の低温化と大面積均質プロセスの実現に向けた新しいプラズマプロセス技術を創成することを目的としており、以下の課題を設定して研究を推進している。[1]アニールプロセスにおける反応過程の解明、[2]低温アニールプロセスの開発、[3]プラズマ支援スパッタ製膜プロセスにおける反応過程の解明、[4]高密度プラズマ支援スパッタ製膜プロセス高度制御法の開発、[5]膜特性評価に基づいたプロセスの最適化。 本研究計画の初年度に当たる本年度は、基礎過程(反応過程)の解明を通じたアニールプロセスの高度化に注力し、プロセスの低温化に資するプラズマ高度制御技術の創出に向けて研究を推進した。まず、アニールプロセスにおける反応過程の解明に向けて、高密度プラズマにより反応性を格段に向上させた雰囲気下での反応プロセスについて調べ、従来のアニールプロセスで用いられている活性雰囲気に比べて格段に低温の状態で、かつ良好なデバイス特性を実現する可能性があることを示した。また、高密度プラズマ中における酸化活性種について調べ、プラズマ気相中での分子解離のみならず、気相反応を通じて酸化プロセスに有効に作用するラジカルが生成可能であることを示した。さらに、反応過程に関する知見をもとに、プロセスの低温化を目指して、プラズマ気相の反応性制御がアニール特性に及ぼす効果について調べ、気相における活性種の制御がデバイス特性の向上に有効であることを示す結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「研究実績の概要」に記したように、プロセスの低温化に向けて、プラズマ気相の反応性制御がアニール特性に及ぼす効果について調べることができ、本年度で計画した研究課題については概ね達成できたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に蓄積した知見をもとに、酸化物半導体薄膜形成プロセスにおける反応過程の解明を通じたプラズマ反応性の高度制御による新たなプラズマプロセス技術の創成に向けて、プラズマアニールプロセスのさらなる高度化に加えて、プラズマ支援スパッタ製膜プロセスにおける反応過程の解明を進めていく予定である。
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